ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

TOKYO/この町にはあまり行くところがない

2月14日 日曜日

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東京都現代美術館にて『東京アートミーティング-見えない都市を見せる』。一番身近に感じたのは蜷川実花の展示で、美術館のロビーから見えるように設けられた3つの自撮りブース。自分自身を撮影することと、それを他者に見られることを1つの風景としてさらりと提示していて唸る。キャプションでも近頃とみに聞くようになった「承認欲求」について言及していて、それを肯定しているのも良かったな。

清澄白河駅から現代美術館までの道のりで惣菜屋さんに茶色の猫が入っていくところを見かけたのだけど、帰りに同じところを通ったらその猫が店先で椅子に座ってお客さんとテーブルを囲んでいた。季節外れの春の陽気と相まって、なんだかすごくいい風景でグッときた。可愛い。


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音楽実験室・新世界にて『官能教育 三浦直之(ロロ)×山本直樹「この町にはあまり行くところがない」』。リーディングと芝居を行き来し、他の短編もコラージュしながら山本直樹の作品世界を立ち上げる。カキフライやアイスクリームを使った見立てと、朗読に2度登場する’肛門’の言葉が並ぶことで、性的嗜好を越えて人間の根源的なものすら感じてしまう。飴屋法水演じる男の存在感や淡々としたリーディングは性描写を無化してしまうほどの迫力。三浦直之演じる船田のオドオドとした佇まいからも、身体の距離が縮まるほどに虚しい、なんとも「エロ悲しい」感じが漂っていてたまらない。電車での絡みのシーンで大場みなみ演じる鱒山の背中に回された添えるようなしがみつくような船田の手に官能を感じたり。前髪で表情が見えない大場さんは声と足でめいっぱいエロを表現していて素晴らしくドキドキしました。

三浦さん、先月『校舎、ナイトクルージング』で見たときと外見が別人で驚いた。ヒゲとメガネでだいぶ印象が変わるなあ。「三浦直之」で画像検索するともっと混乱します。