ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

トラベル・ブギ

2月の下旬から3月半ばまで、熊本・福岡への帰省旅行、草津旅行、免許合宿と予定の詰まった慌ただしい日々を過ごしていた。旅行の前日、2月21日はコンビニバイトと、もうひとつ行っていたアルバイトの両方の最終日で、いよいよ人生の節目と感じてしまうような日だった。日常に組み込まれていた部品をひとつひとつ外していく感覚。

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2月22日、福岡に暮らす祖母のもとへ母と帰省旅行へ出かけた。せっかく九州へ行くなら、と祖母を連れて熊本の阿蘇で一泊して福岡へ戻る算段だ。発泡スチロールを基礎にしたドーム型の宿がぽこぽこと立ち並ぶ阿蘇ファームランドに泊まった。平日ということもあり宿泊客は少なく大浴場もほぼ貸切状態で、小雨が降っていてそことなく寂寥感。工事中の箇所も多く、完成したらもっと賑やかになるんだろう。早起きと移動に疲れていて20時頃に眠りに落ちてから、何度か目を覚ましながらも朝までぐっすりと眠ったのがとても気持ちよかった。目が覚めてもう一度目を閉じるとすぐ眠れるときが一番きもちいい。翌日は福岡まで寄り道買い物をしながら帰路についた。道の駅で旅行中の金銭感覚じゃないとなかなか手が出せないソフトクリームことクレミアを食べる。リサイクルショップに入ると3人していつまでも物色しているのには、血かな、と思った。

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滞在中は買い物へ行ったり太宰府天満宮へ梅を見に行ったりと日常と旅行が混在したような感じ。母は昔ここで暮していたんだな、と思うと不思議な気持ちだ。私は生まれてからずっと埼玉に住んでいるけれど、この先自ら住む場所を選んで居を移すこともあるのだろうかとぼんやり考える。行こうと思えばどこで暮らすこともできるけれど、私はずっとここから動かないような気もする。

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帰りに乗った飛行機、発券したら窓際の席だったのでわくわくして席にいったらそこだけ窓がなくてすごく落胆してしまった。そんな〜ずっと寝てたけど。帰宅したら荷解きをしながら明日からの旅行の荷作りをした。

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2月27日、中学からの友人5人と1泊2日で草津旅行へ出かけた。上野駅で向かいのホームに白いジャンパーを着た人たちが「おかえりなさい」という横断幕を持って立っていて異様な光景だったので「誰が帰ってくるんだろう・・・」「教祖?」とか言ってたら寝台特急カシオペアがホームに入ってきた。行きの電車ではわいわいと色んなことを話して、きっと帰りの電車ではみんな眠るだろうとこのとき思って、やっぱりその通りになる。草津に着いてからは食べる、食べる、歩く、足湯、食べる、お風呂、飲む、食べる、喋る、寝るという感じのそんな夜でした。宿のお風呂は水とお湯の蛇口をひねりながら調節するタイプのシャワーで、私たち以外にお客もいなかったので「あっつい!つめたい!あっつい!」と絶叫しながら髪を洗ったの楽しかったな。

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翌日は洋食屋さんで昼食を食べて土産屋のじいさんの温泉まんじゅう攻撃をかわしながら西の河原温泉の露天風呂へ。抜けるような晴天で、ときおり吹き込む風の冷たさが心地いい。たらふく食べてお湯に浸かって、もう寝る準備万端と言わんばかりに帰りのバスと特急電車へ。起きていた友人と小声で身の上話なんかを交わしながら電車に揺られた。車窓の日が暮れて浦和、大宮あたりのビルを通り過ぎる頃にはセンチメンタルも最高潮のなか、途中でふたり降りて、上野駅であとふたりと別れたあと、喫茶店にでも寄ろうかなあと逡巡しながらヤマシロヤの店頭でシン・ゴジラの鎌田くんのガチャガチャを回して、混雑した日比谷線に乗った。草津は3℃と聞いて着込んできたジャージとストールは暑くて首元にじわりと汗をかく。友人たちと少しLINEでやりとりをして、アルバムの写真を保存した。草津旅行から帰ってきて免許合宿へ行くまでの間もアルバイトの面接を受けたり映画や演劇を観に行ったりとぎゅうぎゅうの毎日だった。

 

茨城の古河へ合宿で自動車免許を取りに行った。滞在したのは駅近くのビジネスホテルだったのでストレスもなく快適な2週間。実家を離れて暮らしたことがなかったのでホームシックになるんじゃなかろうかと心配していたのだけれど2日目の夜に自宅と飼い猫が夢に出てきて以降は意外と平気だった。中学・高校のときにずっと一緒に登下校をしていた友人とふたりで行ったので懐かしいというか、4年ほどのブランクが空いてもあの頃と同じ空気感で過ごせることがとても嬉しかった。まあ、先日の旅行で会ったばかりですけれども。友人が「カーブが~」と言ったのを聞き間違えて「さわべ?」と私が聞き返したときに、「関係なくなっちゃったよ!」と返してきて、友人のこと一生好きって思いました。彼女の頭の回転の早さとユーモアととてつもない優しさに永遠に憧れ続けている。

自動車教習は初日からいきなり「ハンドル操作が危ういので乗り越すかもしれません」と脅されてビビっていたけれどなんとか乗り越さずに済んで安心した。教習所内の課題をひとつひとつクリアしないといけない仮免試験の直前が一番つらくて、ceroの「summer soul」のMVを見ながらあらぴーみたいに格好良くドライブするんだ...と己を励ましていた。教官には事務的に必要事項を教えていくタイプと、雑談しながら緊張をほぐしてくれるタイプとがいて、色々な人と車に乗るということがそもそも面白かった。茶髪でショートカットの女性の教官が3人くらいいて、もれなく元ヤンっぽいのも印象的だったな。でも元ヤンの人ってみんな面倒見が良くて教え方もうまくてとても好きでした。あと、送迎バスではだいたいいつもTBSラジオが流れていたところも好感度が高い。古河も良いところでした。

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卒業検定の前日に一度帰宅して大学の卒業式に出席した。母に袴を着付けてもらって、ぴゃーっと行ってわーっとやってささーっと帰ってきた。式典自体は、隣に座った友人と「校歌ちゃんと歌えないよね」とえへらえへらしているうちに緊張感なく終わった。後期はほとんど授業もなくゼミもなかったので友人にも先生にもとても久しぶりに会った。本当はお世話になった先生と同級生にもっと言いたいことがあったような気もするけれど喋れば喋るほど上滑りする嘘のようにしか喋れないし、お別れの場としてあの喧騒はとても都合が良い。思い返せば高校のときもあっさりと帰ったし、そのときは友達と今後も会うだろうという確信があったけれど、大学の友達とはもう会う機会はないかもしれないなと思いながら、ばたばたと交わされる会話と写真に紛れて教室を抜けた。私はいままで本当に人に恵まれていて、いつも声をかけてくれる天使のような子がいたので学校でひとりぼっちになったことがない。一緒に授業を受けたりお昼を食べたり、学校でしか為し得ない関係の中で私と関わってくれたすべての人それぞれに、少しずつ「あなたのようになりたい」と思っている。この気持ちには、cero「街の報せ」の「愛しているよ」というラインの響きとフィーリングがふさわしいな。

卒業の余韻にも感傷にも浸る間もなく古河へ戻り、次の日には自動車学校を卒業した。まさかの雨降りでめちゃくちゃ緊張したけれどなんとか。友人とふたりして技能のあとに学科試験があると思い込んでいて、技能の結果発表のあとに「卒業式です」と言われて拍子抜けしてしまった。次の日に早速免許センターへ行き交付を受けた。鴻巣、下手したら古河より遠いし朝早いしこの時期に来たのが悪いけど人多いし死ぬほど時間かかるし「ばかかよ」って30回くらい思ったけれど無事に免許を手にすることができました。やったね。ドライブが好きだし夜の街や高速道路を自分で運転できたら良いなあと思っていたけれど、実際に運転してみると自分の下手くそ加減や常に人を殺めてしまうかもしれない危険性と共にあることが怖すぎてドライブなんて夢のまた夢のような気がしてきた。