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ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

生きていくセンスがない

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4月、新生活とやらが私にもやってきた。どうせフリーターになるのだから足並みを揃えることもないのだけれど、区切りも良いので新しいアルバイトに行きはじめた。新しい環境に身を置く前はどうしても、全員嫌な人で劣悪な職場だったらどうしようと悪しき想像が膨らんでしまう。でも、最悪を想定してハードルを下げまくると、大抵はみんないい人に思えるので自分のちょっとしたライフハックみたいなものです。実際はそんなことをしなくても、びっくりするほど穏やかで優しい人しかいないような職場だった。穏やかかつ、人との距離感を綺麗に保つ人たちばかり。生まれてはじめてみた相手を「親」と思っていつまでもついてゆく動物のように、仕事を教えてくれている人たちに慕情のようなものすら芽生えている。緊張でふわふわとした気持ちが続いているし、ド新人のいまは付きっきりで動いているので余計に。このさき嫌いになることがあっても今のところは好き。これから戦力にしなくてはいけないのだから親切なのは当然といえば当然で、向こうは私個人には何の興味もないことは分かっていても、やっぱり私は誰かと関わっていたいんだと思った。

好きでも嫌いでもない環境では適当な気持ちでいられるけれど、少しでも好きだなあと思ってしまうとそれはそれで苦しい。頭ごなしに叱られるよりも、静かに失望されていくほうが辛いからだ。適当なことは絶対にできない。良い子だと思われたい。嫌われたくない。少しでも好かれていたい。昔から自分の失敗を誤魔化したり隠したりする悪癖があるので、そういうの全部捨てたい。自分の言動はどこかおかしいんじゃないかという不安感はいつまでたっても消えない。あと挨拶がへたくそ。コピー取るのへたくそ。他者への配慮が足りてない。

初日は流石に慣れないことだらけで頭がキンキンに痛くなって、えらく悲観的になった。交通費出るし、と思って深く考えずに受けたのだけれども通勤に片道約1時間半かかるのだ。バイトじゃひとり暮らしは無理だ。そんなに混んでいるわけではないので苦痛ではないが、初日のクタクタになった頭でずっと「なんで遠いところを選んだんだ」「バイトなんだからもっと通勤が楽なところを選べよ」「しかも契約更新限度があるし」「年を重ねるとどんどん仕事に就きにくくなっていくぞ」「どうするんだこの先」と過去の自分を睨む。応募した当時は多少の焦りもあり、この仕事しかないと思ったのかな。とにかくこのとき生きていくセンスがないと思った。2日目以降、少しずつ全貌が見えはじめて頭痛もなくなり、良いところに来れたかも知れないと思いはじめた。時給も悪くない。休みもちゃんと決まっている。通勤時間は本でも読もう。

私は何歳まで生きるんだろうか。仮に何事もなければ80歳と想定して、衣食住に不自由しないためにはどのくらいの貯金が必要なんだろうか。年金とか保険とかよくわかんないから聞いとかなくちゃ。いまはドラマや演劇や音楽、いわゆるポップカルチャー全般のために生きているような感じだけれど、私はいつまで感性を持っていられるんだろうか。映画や演劇を観にいくにも、年をとるにつれて体力と健康がものを言うだろうなと思いながら、身体はどんどん重たくなっていく。何かを面白いと思えなくなったとき、私は死ぬのか。私はどうゆう風に死んでいくんだろうか。誰かに看取られるのか、ひっそりと異臭を放って発見されるのか、野垂れ死ぬのか。老衰か病気か事故か他殺か。死んだあとのことは、弟に頼めばいいのかな。私がこれまでぬくぬくと育てられた家庭を築くのにどれだけの苦労と歳月がかかっているのだろうと気が遠くなるし、私に同じことができるとは到底思えない。生きていくのにはセンスがいるとつくづく思う。食べるものも着るものも喋ることにも働くことにも、常に何かを選ばなければいけない。その度に自分の要領の悪さを思い知る。センス良くありたいという無様な見栄が積もっていく。損はしたくないと思うけれど、賢い選択はできた試しがない。こうしておけば、どうしてあのときこうできなかったのか、と考えると泣きそうになる。損得勘定をはじめると、考えることをやめてしまう。

それでも反吐が出るほどに自分のことを愛している。

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