ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

雨の日は饒舌

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以前はまったく興味のなかったものや、どちらかといえば苦手だったものを美味しいと感じることが増えた。ここ最近は空前の茄子ブームで、特に揚げ浸しが美味しくてたまらない。できたての温かいものはふんわりと出汁が香って美味しいし、一晩冷蔵庫で冷やすと身も味もきゅっと締まって更に美味しい。昔は茄子のぶにゅっとした食感が苦手で、祖母の家のカレーや味噌汁に入っているとあまり嬉しくなかったものだけれど、今は揚げ浸しや麻婆茄子以外にもどう食べたら美味しいのかをもっと知りたい。角切りの人参、玉ねぎ、ズッキーニと一緒に炒めてカレーにのせてもとっても美味しい。特にこれといったきっかけはなく、気付けば好むようになったものが多くて、これは年齢を重ねたことによるのだろうか。コーヒーも気付けばブラックで飲めるようになっていた。変化というよりも、好みの幅が広がったと表現した方がしっくりとくるだろうか。少し前だったら好きにはなっていないだろう、ということは食べ物に限らず音楽や映画なんかでもあって、この先も色んなものを好きになったり、どうでもよくなったりするんだろう。私は結局何も好きじゃないのではないかという気持ちになるときもあるけれど、なるべく愛したい。

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アルバイトの帰りに丸の内の丸善ジブリの小冊子『熱風』を貰ってきた。大手町の駅はいつも乗り換えで使っているのに、丸善があることをはじめて知る。そういえば、よみうり大手町ホールでのシティボーイズの公演日程、どうして月火水なんでしょう。週末ではなく週はじめの平日のみってとても珍しいような気がする。私は時間が合わず見にいけませんでしたが、十数年ぶりの三木聡によるシティボーイズのコント、どうだったんだろう。「仕事の前にシンナーを吸うな」ってタイトルから最高だもんな。

『熱風』掲載の坂元裕二のロングインタビューは読み応えがたっぷりあって、これが無料でいいのか…というくらい。脚本の書き方やドラマへの考え方がとても興味深い。『カルテット』3話は当初、すずめちゃんに起こったことを他の3人はまったく知らずに終わるというプロットだったというのも面白くて、それはそれで見てみたいけれど書き換わったことであの蕎麦屋でのシーンが生まれたことを考えるとプロデューサーの目線って大事だな、とも思うのだった。

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晴れたので、GINZA SIXを中心に銀座へ物見遊山に出かける。以前友人が「好きそう」と写真を送ってくれたことのある草間彌生のバルーンは、入った瞬間に見上げずにはいられない存在感。階を上がっていくと次第にバルーンと同じ目線、そして見下ろす形になって、建物がひとつの塔のようだった。建物も入っているお店もラグジュアリーとカジュアルが同居していて確かにすごい施設だ。ナタリーのインタビューで椎名林檎

ドラマへの愛は最終回の熱海へ向かう車中の歌唱シーンで十分昇華されたんですけど、このG SIX(GINZA SIX。4月に東京・銀座にオープンした複合施設)のCM音楽をご依頼いただいたとき、さんざんキャスティングへ物申しましたよね。「カルテットのあの4人を銀座へそろえるべし! 広告がより早く長く効くはずだ!」と。

と言っていて面白かったですけれど、アウトレットをみる巻さんとすずめちゃんのように「見るだけ見るだけ」という気持ちで楽しんだ。なんだか最近また『カルテット』のことばかり考えているな。

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高円寺で水たばこをはじめて経験した。母が喫煙者なので煙草は身近にあるけれど吸おうと思ったことは一度もなく、この機会にと普通の煙草もひとくち貰ってみたら喉の奥に線香花火を薫せたような香りがして意外と悪くないなと思った。おとなになった気分。お店の人のおすすめにしたがってピーチティーのフレーバーを作ってもらう。慣れてくると楽しいもので、調子にのってぷかぷかしていたら頭が少しくらくらとした。リラックスしすぎて余計なことまで言ってしまったけれど、煙と一緒に消えていったはずだ。銀座から水たばこまで、少し浮世離れした場所ばかり巡っていたので、帰りの電車ではずっと夢から醒めたあとのような気分でいた。くらくらしちゃうね。

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一年に一回ほど、寝付けずに朝を迎えてしまう日がある。たぶん舞い上がって気持ちが昂って眠れない、という始末。すごく楽しかったことが終わるとその倍さみしくなるから、ずっと少しずつさみしい状態でいた方が心に波風が立たなくて平穏に過ごせるんじゃないかと思った。あまりにも副作用が大きすぎる。そうしたいという気持ちと、それじゃ嫌だという気持ちが交互にやってきて、半ば眠ることは諦めていた。きっと今日はずっと夢の中にいたから、その代わりにもう眠ってはいけないのだ。だってそうだ、私はお昼に<デートの夢は永い眠りで観ようか>と歌う歌を聞いていた。radikoで流していたおぎやはぎのメガネびいきが終わってから携帯はなるべく触らないでうつ伏せになってみたり横を向いてみたりあっちへごろごろ、こっちへごろごろ夜を過ごす。そして窓の外が明るくなるころに瞼が重たくなってくる。朝日の眩しさはもうすでに夏のそれで、ようやく訪れた眠気をさらっていこうとする憎い奴。何もせず横になっていれば少しは身体も休まるだろうとは思いつつ、起き上がるといつにも増してズシンと重たい。頭もぼんやりとする。休日なので別に問題はないけれど、この日は昼過ぎに美容院の予約をしていて駅まで自転車で向かうつもりだった。けれど晴天の中、寝不足で30分自転車をこげば体調を崩すのは目に見えていて、ちょうど終わる時間帯に雨マークがついているのも気になっていたからバスを使うことにする。昨夜からずっと少しだけ胸がどきどきしていて、やばいなー恋かなーって思っていたんですけど、美容院に入る前に動悸が早くなったので苦手意識のある美容院に緊張していただけでした。ネットから予約したはじめていく美容院は雑談も少なめで雰囲気も悪くなかったけれど、仕上がりがなんとなく雑のような気がしてもう行かないかな。鎖骨あたりまで伸びていた髪を顎のラインで切り揃えて襟足を少しだけ刈り上げてもらった。悪くないと思う。

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法事で両親が家を空けるため、自分で料理を作ってみようと思い立った。冒頭でさも料理をしてそうな口ぶりで茄子への愛を語ってみたけれど、中学校の調理実習以来、料理らしい料理はしていない。難しい手順や味付けは避けて、しいたけの肉詰めとピーマンの揚げ浸しとじゃがいものきんぴらを見よう見まねで作ってみたけれど、美味しくも不味くもなくて虚しい気持ちになった。みりんと醤油を目分量で突っ込んでるからそりゃ当たり前の結果なのですが、こういうときに自分のガサツさを思い知らされる。じゃがいもを切るのに1時間くらいかかった。たまに自分で家事をすると、私は生活というものをこれまでしてこなかったのだと恥ずかしい気持ちになる。料理も洗濯も掃除もやっていたら余計なことを考える暇なく1日が過ぎていく。これからは生活をしたい。生活をしりたい。結局雨は降らなかったけれど、キッチンの窓を開けていたら遠くから雷の音が聞こえて、夏が来るな、と思った。