ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

長い年月で

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iPhoneをアップデートしてから過去の写真がランダムに表示されるのだが、「美味しいもの 長い年月で」というタイトルが良かった。家族や友だちと食べたご飯も、ひとりで食べたケーキも、どうでもいいようなものでも撮っておくと楽しいものだな。このiPhoneには2012年から8年分の写真が入っていて、iCloudのバックアップも取れないほどデータが詰まっているのだけど、見れなくなったらきっとこの写真があったことも忘れてしまうのだろうなと思う。フィルムで撮った写真もデータ転送にしていて、まともに撮れるようになったら印刷してまとめてみたいと考えつつ、どうせいつかは処分するだろうと思ったりもする。

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普段は縁のない小田急線沿線で2件面接があり、その合間に白洲次郎・正子の邸宅だった武相荘へ。白いタイルと上にひかれたカーペット、畳の書斎、ライトの隅々まで素敵だった。カフェでりんごのタルトを食べる。このカフェの調度品や引き戸のニュアンスにも、道楽の色気が感じられてよかった。

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次の面接まで少し時間があったので海老名で下車してららぽーとを覗く。自然が豊かで静かな場所からショッピングモールに来てものに囲まれると妙に落ち着いた。海老名は、坂元裕二の朗読劇を見に来たことがあったり、好きなドラマ『G線上のあなたと私』のロケ地だったりして、結構好きだ。駅前だけが異様に栄えているところとか。

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自分の生活圏とかけ離れた土地を歩いて、2時間強も電車に揺られていると自宅が恋しくなり、帰り着いたときにこれまでにない安堵感を味わう。冬は暗くて寒いし、面接の緊張感が余計に心細さを増幅させていた。実家、できる限り出たくない。

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南千住のオンリーへ。2段重ねの厚焼きホットケーキには小さなサラダが付いてきて、ロゴ入りのお皿が可愛い。夕方、私ともう1人しかお客のいない店内には陽気なInterFMが流れていて、程よく寂しくてよかった。家の近くにこんな喫茶店があったらいいのにな。私の家の近所には何もないので、北千住周辺の商店街にもとても憧れる。

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千住大橋を渡って北千住まで歩いて、ミニシアター1010で東葛スポーツ『A-②活動の継続・再開のための公演』を見る。東葛スポーツは自分自身にもディスる対象にも一定の距離を意図的に設けている印象があったけれど、今回は演劇の苦境に対してかなりストレートに訴えかけていて熱かった。というのも、いつもは小演団の小ネタで身近なところまでネタにしていたのが、それをやりつつも今は連帯しようという呼びかけが何度も繰り返される。リリックも演者たちのラップも力強くて、本当に見に来てよかったと思った。こういうものが見たくて私はわざわざ劇場に足を運んでいたんだ、と思い出させてくれるものはやはり強い。

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清瀬のコーヒーハウスるぽへ。お昼時だったせいか賑わっていて、ひと席空いていた1階を見渡せる席に座ることができた。ライトやシュガーポット、花瓶など細かなところまで飾りがあってとても可愛い喫茶店だった。レジで売っているドレンチェリーがあしらわれたくまやリース型のクッキーも可愛い。そして柱の足元には謎の胸像。こういうところがたまらない。吹き抜けで広々とした1階と、2階の奥まった席で雰囲気が変わるので今度は1階にも座ってみたいけれど、電車では如何せんアクセスに難がある。清瀬駅から歩いてくる間は、風は冷たいけれど陽射しがあって気持ちいいななんて思っていたら、お店を出る頃には笑ってしまうくらいどんよりと曇っていた。

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今週は真横を通り過ぎたバスを追いかけて次のバス停まで約50m走り、1時間に1本のバスに乗るために走り、いつもより10分遅れた通勤バスから職場まで走って転び、やたらにバスと因縁の深い週だった。そしてこのどこかで太ももが筋肉痛になり、左の足首を捻挫した。

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御茶ノ水穂高へ。みかんエードという果肉たっぷりの温かいみかんジュースがとても美味しい。場所柄かコーヒー1杯でさっと出て行く人もいれば、程よく薄暗い店内と緑のソファでくつろぐ人もいて面白い雰囲気だった。大きな窓越しに見える緑とその向こうの線路の奥行きがいつまでも眺めていられる。今週は最終面接が4件、日を追うごとに志望度が高くなるスケジュールで就活もいよいよ佳境に差し掛かっている。

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モルト交換に出していたカメラを受け取りに行って、東中野ルーブルへ。セレナーデという優美な名前に惹かれて頼んだメニューはアイスクリームたっぷりのパフェで、寒い日に食べるには失敗…と思いつつ、こうして写真を見返すとこの色合いとゴージャスな盛り付けに満足。こんなにアイス食べたら絶対お腹こわす…でも美味しい…と思いながら食べていたら、本命の志望先から内々定の電話がかかってきた。正式な書面が来ないことにはまだ安心できないものの、どうやら私の転職活動は終わったらしい。こういうとき、ぬか喜びしないように私は自分の記憶を妄想ではないかと疑う癖があって、まだ実感がわかない。上の空でコーヒーを飲む。

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吉祥寺へ移動して、book obscuraで木村和平写真展『The Other Side of the Window』を見る。西日が差し込む部屋の写真は、写真そのものがぼんやりと光っているような質感を湛えていて美しかった。写真集『あたらしい窓』も購入。この日はとても久しぶりに吉祥寺や中野をうろうろしてとても楽しかった。ものが溢れかえった場所にいると安心する。

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長らくの懸案事項だったカメラの修理と転職活動がひと段落して、本当に久しぶりに履歴書も書かず面接の準備をする必要のない休日。M-1を楽しみに待っているだけの休日だ。『空気階段の踊り場』の最新回を聞いていたら水川かたまりが離婚して、鈴木もぐらに第二子が誕生すると話していた。まじか。何があっても空気階段がいてくれれば大丈夫という感情が芽生えている。

Everything's Gone To The Foggy Outside
やがて人生は次のコーナーに
人生が次のコーナーに差し掛かって


cero / ロープウェー 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】