ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

ハッピーサッド

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自分の体重・体脂肪率と、毎月の支出額と貯金額のことばかり考えているのは、他に夢中になれるものがないからで、いままで傾倒していた物語たちへの関心が薄れているのは感受性が折れてしまっているからなのか、ぼんやりとしている時間が増えたような気がする。

人生は退屈で虚しいものって色んな人が言っている気がするけど、具体的に誰かの言葉が思いだせるわけではない。毎日定時であがれる仕事に就いて、たっぷり8時間眠って、果物も野菜も食べたいものを食べられて、摂取カロリーと無駄遣いを気にしながらも結局甘いものも食べて、なにひとつストレスのない生活の何が不満なのか自分でもわからない。強いて言えば、深刻ではないけれど体重の増減に対するやや過剰な意識はどこかで克服したい。

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あと何十年か真面目に働いてお金を貯めたら、海の近くの古民家か、山の中の洋館を買って、喫茶と古本と骨董のお店を開きたい。野菜とハーブを栽培して、卵や小麦粉、乳製品を極力使わないお菓子を焼く。そんな雑誌に載っているような生活を妄想したりしている。そのために、製菓を勉強しにいきたい。

時間があるので、いままで苦手だと思ってやってこなかった裁縫や編み物をやってみるのもいいかもしれない。製菓もそうだけど、道具を揃える一歩が踏み出せない。

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とりとめのないことばかりずっと考えてぼんやりするのは、日常的に人と雑談をすることがないからのような気がしている。頭の中で喋っているがうまく文章にできず、同じようなことがぐるぐる渦巻いてしまう。

職場の人と仕事以外のことを話すこともあるけど、楽しくてもそれはやっぱり職場の人との会話なので、気兼ねなく相手の顔色をあまり気にしない発話ができるのは家族くらいで、月にいちど実家に帰ると堰を切ったように喋るのを自覚している。

そのように喋れる家族がいるだけでもありがたいけれど、両親もいつかいなくなるし、弟も社会人になれば話す機会はもっと減るだろう。唯一の友人たちとも集まる機会が減って、会うことは特別なことになりつつある。お店や公共施設のスタッフ相手に延々とどうでもいいことを話しかけるお年寄りの気持ちもわかる、その気持ちはいまは同情というほうが正しいけれど、いつか自分もそうなるのではないかと思うと怖い。

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はじめておでんを作ってみたら美味しかった、母が送ってくれた布団乾燥機で温めた布団に入る瞬間が幸せ、少しずつ日が伸びていて嬉しい、髪を伸ばして今度はマッシュルームカットにしよう、ロイヤルホストデニーズ・ココスのいちごパフェを必ず食べる、とんでんのいちごと雪見だいふくのパフェも気になる、いちごがもう少し安く買えるようになったら水切りヨーグルトでサンドイッチを作ろう、クラシックな型の黒いジャンパースカートが欲しい、最近やたらとティラミスが好き、iTunesをシャッフル再生すると自分で入れたことを忘れている音楽が流れてきて楽しい。

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いままでも必死に気を逸らしていただけで、私は私でいることがやめられないまま、生活が続く。生活の彩り方を忘れそうになりもするけれど、ダンスを続ける。