ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

楽しい生活

さ・え・らジャポン

毎年、12月24日と1月1日にはPIZZICATO FIVE『さ・え・らジャポン』を聴く。さらに冬が深まると、雪の積もる街並みのジャケットが印象的なPIZZICATO ONE『わたくしの二十世紀』をリピートしていて、私の中で年の暮れと冬は小西康陽の季節だ。そんなこともあって、評判を耳にしていたライブ『小西康陽小西康陽を歌う』のアーカイブ配信を視聴した。アンコールの「マジック・カーペット・ライド」は噂にたがわぬものだった。「アイドルばかり聴かないで」のアレンジもよかったな。

f:id:Vanity73:20230105100258j:image今年のクリスマスは24日が出勤で、前日の23日に2022年最後の緊張する仕事を無事に終えたので、近所のケーキ屋さんでいちごのショートケーキとプディングケーキを買ってささやかに過ごした。12月は、横須賀のLa griveのものではじめてシュトーレンと共に過ごしたのだけど、これはとてもいいものですね。

f:id:Vanity73:20230105072506j:image12月28日、冬休みに突入。仕事納め、仕事始めとはいっても年度で進行する仕事は3月に向かって忙しさが加速していく時期で、すっきりと片付くものは無いよな、とかぼんやり考えながら、私も一端の社会人になったような気になっている。とはいえ、1週間の休みを満喫すべく、朝の5時に家を出発し、まだ暗い東名高速へ。途中、小腹がすいてパーキングのデイリーでランチパックを買ったら付いてきたおてふきが可愛かった。

f:id:Vanity73:20230105100958j:image途中、2回ほど分岐を間違え予定の倍の時間をかけて、多治見のモザイクタイルミュージアムに到着。夏に京都から松本への途中休憩で立ち寄ろうとしたときにもひどい渋滞で諦めたので、いよいよ辿り着けないのではと思っていたが、真っ青な空にそびえる藤森照信の建築は現実味がなく夢をみているようだった。

f:id:Vanity73:20230105100434j:image京都へ移動し、丸福樓にチェックイン。古い調度品やタイルとリノベーションのバランスが完璧だった。お部屋やラウンジのドリンク、お菓子もオールインクルーシブで充実していて、つい食べ過ぎる。

f:id:Vanity73:20230105100452j:image夕食までの時間、レンタサイクルで京都の町を散策。旅先で自転車というのは、なんとなく地元の人間のフリをしているような軽やかさがあって楽しかった。恵文社一乗寺店や誠光社をめぐり、文化的な土壌の豊かさを実感する。

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f:id:Vanity73:20230105072408j:image宿に戻り、旅のいちばんの目的であるcartaで夕食。夏に尾道のLOGの食事に感動するあまり、同じく細川亜衣さんが監修しているここを予約したのだ。知っている食べ物のはずなのに、素材と調味料の組み合わせや、生のものと加熱の組み合わせが絶妙で、驚きと美味しさで忙しい。大満足で部屋に戻り、『バナナサンド』(4人で旅をするシリーズが大好き)と『ゴールデンラヴィット』を眺めながら眠った。f:id:Vanity73:20230105072411j:image
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f:id:Vanity73:20230105072420j:image12月29日、もちろん朝食も。生姜餡の茶わん蒸しや、ごぼうとごまの風味高いお味噌汁、ゆずの香りが効いた焼き鮭、すべてが美しい。

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f:id:Vanity73:20230105100545j:imageまたレンタサイクルで散策に出かける。午前中はさすがに指先が凍るように冷たい。しかし、自分の寺社仏閣への興味のなさには呆れてしまう。チェックアウト後にはラウンジで昼食のパンケーキとマチェドニアサラダ。チーズの塩気が効いたパンケーキに、LOGの朝食を思い出した。

f:id:Vanity73:20230105100717j:image京都をたち、静岡の浜名湖舘山寺へ。笑ってしまうくらい風が強いが、湖面に射す西日が美しい。宿泊したサゴーロイヤルホテルや、周りの宿もほどよく全盛期を過ぎた観光地の香りに満ちていて、丸福樓のようなブティックホテルの後だと、強烈に旅情をかきたてられる。ナイトクラブ・アカプルコのネオンが見られただけで大満足。

f:id:Vanity73:20230105100731j:image遊覧船の乗船券を貰ったので、ホテルからすぐの待合所へ行くと、古いラジカセから山下達郎のライブ版CDが流れていて最高だった。

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f:id:Vanity73:20230105100852j:image20分ほど車を走らせて、浜名湖をのぞむカフェテラス・サンマリノへ。夕暮れ、閑散とした店内でホットミルクとプリンアラモード。こういう時間が、いちばん遠くへ来た感じがする。

f:id:Vanity73:20230105100932j:image12月30日、朝の5時、暗いロビーでチェックアウトをして、高速道路に乗り帰路へ。まだコンビニしか開いていないパーキングでヨーグルトとパンを買って食べる。日常でも旅先でも、のんびりということができなくて、常に何かをしていないと落ち着かず、目が覚めたそばから移動をしてしまう。まだ暗く車の少ない道を走っているうちに、徐々に明けていく空の色や雲を見ていると、睡眠と覚醒が小さな死と生であるという実感にふと思い至り、ここ最近の自分のスピリチュアル加減が心配になる。

f:id:Vanity73:20230105101153j:image自宅のあるインターを通過し、首都高を抜けていくうちに埼玉の実家に到着。母と回転寿司を食べてスーパーへ買い物に行くうちにさっきまでのスピリチュアルも今年こそは食べ過ぎないという決意もなくなって、夕飯に煮込みハンバーグをリクエストしてお腹いっぱい食べた。

f:id:Vanity73:20230105101228j:image12月31日、つくばの喫茶店とむとむでモーニングを食べて、映画館で三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』を観た。なわとびやミットを打つ音が音楽のようで、聴覚から得る情報の多さを感じさせられる。こんなに音で満たされているのに静かで、研ぎ澄まされた映画だった。つくばから我孫子方面へ行き、NORTHLAKE CAFE&BOOKSでレコードと古本を買って帰宅。大晦日という浮ついた気持ちを回避したくて、映画、レコード、古本と日頃の趣味に気持ちを向けてみたけれど、やはりどこかふわふわしてしまう。夜は家族で鍋を囲んで、日を跨ぐ前に眠った。

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1月1日から3日間は、家族でドライブして過ごした。テレビ番組も以前ほどは見なくなり、『検索ちゃんネタ祭り』『クイズ正解は一年後』『ゴッドタン 芸人マジ歌選手権』がいつも通り面白いことが何より嬉しい。1ヶ月に1度のペースで帰っているので離れているという感覚も薄いが、実家で過ごすと、母のご飯を食べられるよろこびや取り留めもない雑談ができることが嬉しい反面で、自分のペースが乱れることに少しのストレスを感じてもいる。自宅に帰ると当たり前だが静かで、家のすべてのものが自分に快適なように整えられていて心地がいい反面、ふと家族との会話や猫のことを思い出していて、そこにないものを求めるどうしようもない性を感じる。

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仕事と自宅の往復の中ではいつもどこかへ行きたいと思いながら旅行の計画を立て、旅行中にはどこかで家に帰りたいと感じながら車を運転している。自宅にいるときは家族に会いたいと思いながら、実家では自分のペースで食事や睡眠を摂りたいと思う。とにかくいまは、1週間体重計に乗らず、好き勝手に食べて2kg増えた体重をどうにかしなければいけない。