ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

冬の入射角

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黄色い蝋梅の花や、白やピンクの桃の花がちらほらと咲き始めているのを見て、その色や形に「桜の季節が近づいている」と思ったところで、自分が梅を桜の前座のように思っていることに気が付く。それは梅に対して失礼なので、いまからは存分に梅の花を愛でようと心に決めた。冬至を過ぎて少しずつ陽が長くなり、晴れやかな立春の日に、寒い冬ももう折り返し地点に来ている。

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職場のお手洗いにはいつも季節の花が飾られていて、はじめて間近に水仙の花を見る。和紙のように繊細な花弁とすっと鼻に抜ける香りの美しさを知ってから、道端の水仙に目が行くようになった。群生していると、針のように伸びた葉はニラのようでもある。蝋梅や菜の花の黄色や、椿の濃いピンク色が冬枯れた木々の隙間から覗くようになり、着実に季節が進んでいることを感じる。

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お正月に実家で思う存分に食事を楽しんだ代償として、体重の増加よりもショックだったのはしばらく胃の痛みが続いたことだった。空腹でも少し食べ物を入れてもキリキリと痛く、食い意地の張っている私もさすがに2週間ほど食欲がわかなかった。ひたすらくたくたに煮た白菜のスープで過ごしていると体重も増えた分はもとに戻ったけれど、以前のように食べ物を消化できる内臓ではないことを悟った。

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1月は免許と賃貸の更新、車検と身の周りの手続きが重なり、忙しないけれどあっという間とは感じず、間延びした長さを感じた。年々寒さに弱くなり、断熱性ゼロの家では身体が強張りきびきびと動けないのもその一因かもしれない。この寒さも2度目になり、さらに2年間この家で暮らすことも決めた。上下左右に部屋の隣接しない気楽さを経験すると、もう集合住宅という選択肢は限りなくゼロに近い。

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実家を出てひとりで暮らしはじめてからじき2年になる。ひとりが当たり前になると、もうこれ以外の生活は考えられないと今は思っている。それはまだ私が健康で、仕事と稼ぎがあり、大きな悩みもなくいられるからで、この先、健康や仕事の面でも何が起こるかわからないけれど、出来る限りこの暮らしを続けたい。自分の家を持つことはあまり考えていなかったけれど、退職後に賃貸で家賃を払い続ける厳しさを考えると、ローンを支払える見込みがあるうちに買ってしまった方がいいかと、ぼんやり考えはじめている。

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ここからは土曜日の夕方にやっている「人生の楽園」みたいな夢の話だけれど、ハーブや野菜を栽培できるお庭のある一軒家を買って、少しずつ手を入れながら、退職後に喫茶や古本、古物のお店をやりたい。しかし、いまの職場の通勤圏内にもそんな物件があるだろうか、本当に実現させるなら30代半ばにはローンを組み始めたほうが、と考えている自分の呑気さに呆れながらも、定職に就けて、いまの暮らしを手に入れられてよかったねと思う。

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そのためにはもう少し貯金を頑張らなくちゃと思いつつ、元気に働けるいまのうちに、遊べるうちに遊んでおいた方が後悔がないような気もして、軽率に欲しいものを買ったり、食べたいものを食べたり、行きたいところへ行くようにしている。