ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

4月28日 木曜日 フジロッ久(仮)超ライブツアー2016ファイナル

 

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 フジロッ久(仮)超ライブツアー2016ファイナル 於:渋谷WWW
 
ライブの写真やPVからきっと怖いに違いないと思っていたNATURE DANGER GANGは、予想通り冒頭から乱闘に近いダイブやモッシュで嵐のようなライブを繰り広げていた。しかし、目の前で巻き起こる意味の分かるような分からないような叫びや馬鹿みたいに脈絡のない動きの連続は純粋でなぜだか美しくて、あの狂騒に加わりたいとすら思いました。ステージ上にメンバーが並んだときのルックも抜群に格好良い。

オレたちは ひょうきんさ ふざけてる 

のフレーズに尽きる。
『生きてる』もとても良いですね。
 
フジロッ久(仮)のライブはこのライブを最後に脱退するキーボード丸山鮎子さんのインタビューとツアーのダイジェストで構成された映像からスタート。私はアルバム『超ライブ』から聴き始めて、ライブも今回が初めてだったのですが、これはなんというか、メモリアルな場に居合わせているという予感がひしひしと伝わってきた。
ホーン隊や春太郎(NDG)、野村(NDG)、中川理沙(ザ・なつやすみバンド)といったゲストボーカルを迎えたライブはどの曲もただただ素晴らしくハッピーでした。沢山のことを考えて考えて考えた上で吐き出されるシンプルな言葉も、それぞれの個性が複雑に重なり合って美しくひとつに響きあうキーボード、パーカッション、ドラム、ベース、トロンボーン、トランペット、サックス、慈しみや優しさやときには怒りのようなものまであらゆる感情を内包したような藤原さんのボーカルも、この人が言うならきっとそうに違いないと思わされる高橋さんの愚直なパッションも、全部が最高だ。
何よりも好きなのは、『ごはんのテーマ』に代表されるようなきちんと生活を送ること、その上で今日みたいな祭りを作ること、その尊さと喜びをとびきりキャッチーなメロディで歌ってくれること。『ドゥワチャライ久』のフレーズにも何度も何度も励まされています。

プロテストはプロテクト

インディペンデント それがヒント

 

自分は自分で守らないと

恋と愛と音楽と友情で

 

 
フロアで多発するダイブやモッシュも、こんな最高な音楽の前では、こうするしかないじゃないか!というどうしようもない興奮に溢れていて感動的ですらあった。アンコールの『ライブ』が終わったあと、客席から響いた「もう一回!」「最初から!」という声に私もおんなじ気持ち!と頷いた。それに対する藤原さんの「身体もたないでしょ。一緒にいるのはできるから、もっとチャーハンとかも一緒に食べようよ」という旨の言葉もグッときました。チャーハンってところが良いよね。
この空間の中にいて、藤原さんが

dayz.today

で書いていて印象に残っていた言葉を思い出しました。

わからないのに、きみとぼくがおなじうたを好きだなんて、なんという奇跡でアドベンチャーでロマンチックだろうかと思います。そして、おなじうたを好きな同士が集まれば、そんなの当然でしょ!としか思わない。そういう人のことは、ともにこの世を駆け巡る仲間のようだと感じます。

 
軟弱な私もWWWの二段目から大人しく少しだけ跳ねながら、興奮を抱えてワナワナと震えた。鮎子さんの脱退やシマダボーイが正式メンバーでなくなること、これからしばらくライブはないことなど、今日初めてこんな素晴らしいライブを見て、これは最初で最後なのだということも噛み締めながら。

TOKYO/この町にはあまり行くところがない

2月14日 日曜日

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東京都現代美術館にて『東京アートミーティング-見えない都市を見せる』。一番身近に感じたのは蜷川実花の展示で、美術館のロビーから見えるように設けられた3つの自撮りブース。自分自身を撮影することと、それを他者に見られることを1つの風景としてさらりと提示していて唸る。キャプションでも近頃とみに聞くようになった「承認欲求」について言及していて、それを肯定しているのも良かったな。

清澄白河駅から現代美術館までの道のりで惣菜屋さんに茶色の猫が入っていくところを見かけたのだけど、帰りに同じところを通ったらその猫が店先で椅子に座ってお客さんとテーブルを囲んでいた。季節外れの春の陽気と相まって、なんだかすごくいい風景でグッときた。可愛い。


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音楽実験室・新世界にて『官能教育 三浦直之(ロロ)×山本直樹「この町にはあまり行くところがない」』。リーディングと芝居を行き来し、他の短編もコラージュしながら山本直樹の作品世界を立ち上げる。カキフライやアイスクリームを使った見立てと、朗読に2度登場する’肛門’の言葉が並ぶことで、性的嗜好を越えて人間の根源的なものすら感じてしまう。飴屋法水演じる男の存在感や淡々としたリーディングは性描写を無化してしまうほどの迫力。三浦直之演じる船田のオドオドとした佇まいからも、身体の距離が縮まるほどに虚しい、なんとも「エロ悲しい」感じが漂っていてたまらない。電車での絡みのシーンで大場みなみ演じる鱒山の背中に回された添えるようなしがみつくような船田の手に官能を感じたり。前髪で表情が見えない大場さんは声と足でめいっぱいエロを表現していて素晴らしくドキドキしました。

三浦さん、先月『校舎、ナイトクルージング』で見たときと外見が別人で驚いた。ヒゲとメガネでだいぶ印象が変わるなあ。「三浦直之」で画像検索するともっと混乱します。