ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

Someone that loves you

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ダウナーな気分を掻き消すように、日々はにわかに騒がしい。相変わらず好きな人のことが超好きで、どうやら現在恋人らしき存在はいなさそうなことも確認し、能天気な毎日を送っている。いないからといって私に可能性があるのか、というと口を閉ざすほかないわけですが、好きな芸能人が結婚したらなんだか残念、みたいなあの気待ちです。

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11月17日、 トーキョーアーツアンドサイト本郷にて『不純物と免疫』を鑑賞。百頭たけしの写真が面白かった。平面に切り崩される山、ソーラーパネル、石造りの屋根とトタン、蔦と打ち捨てられた給油機、整列した墓と飛行機。不純物でもあるし、都市の新陳代謝を感じる写真。さりげなく過去のものと新しく作られるものが配置された構図も良い。

f:id:Vanity73:20171119153104j:image外堀通りを歩いていたら通りがかったいたるところのデザインがシンメトリーな元町公園。雰囲気のある公園だなと思って立ち寄ってみたらステージのような段のところで若者ふたりが漫才を練習していた。

f:id:Vanity73:20171119153855j:image更に歩いていたら後楽園に辿り着いた。人もまばらな平日の遊園地はほどよく寂しい気持ちにしてくれる。

f:id:Vanity73:20171119153312j:image池袋へ移動して、以前『夜の巷を徘徊する』で訪れていた西武の屋上庭園へ登ってみた。焼却場の煙突がメインパビリオンのように遠くにそびえる。美味しそうなメニューは売り切れていたから何も食べなかったけれど、平日の夕暮れ時に食事をしたら寂しくて良さそうな場所だ。

f:id:Vanity73:20171119153129j:imageタカセ9階のラウンジで夕食にホットドッグとケーキを食べる。こってりとしたクリームのコアントローモカ。向かいの席では謎のビジネス講釈、後ろでは中国の人が日本語を教わっていて退屈しない。サンシャインシティへ移動。ショッピングモールを流す。特にアルタのあたりは、空間の広さや栄えてなさ、お店のラインナップの埼玉感(というより郊外感)がもの凄くて東京都内にいることを忘れてしまう。妙に切ない気持ちになるので、これといった用がなくてもたまに来たくなる。ブクロサイコー

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サンシャイン劇場にて河原雅彦演出『ロッキー・ホラー・ショー』を観劇。開演前の売り子たちによるグッズの押し売りから猥雑な空気を作る徹底ぶり。キッチュな舞台美術やギラギラの衣装が目に楽しい。見ている間は楽しく、満腹感を残すことに注力した演出も潔かった。小池徹平なんてコミカルすぎて途中何度か井戸田潤にしか見えなかったもんな。劇中で古田新太に「素麺か」と言われていた手足の長いアヴちゃん(女王蜂)の存在感も出色。ダンスシーンではライブパフォーマンスで培われたしなやかな動きがとにかく映える。幕間で「ヴィーナス」が流れていて、帰ってからもしばらく女王蜂を聞いている。

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11月18日、花園神社の酉の市へ。夜遊びがしてみたくなって、そういうのが得意そうな友だちに声をかけて一緒に遊んでもらった。私は普段自分から人を誘うことが苦手で殆どできないのだけど、こうして寒いなか付き合ってくれる人がいることが本当にありがたくて嬉しい。楽しくなるように私がおもてなししなくちゃいけないのに、結局ぜんぶお任せしてしまって反省している。でも楽しかったな。朝方に電車から見えた富士山は輪郭がくっきりとしてとても綺麗だった。

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お目当ての見世物小屋カッパ御殿、想像よりもずっとポップで見やすかった。前日に観た『ロッキー・ホラー・ショー』に引き続き、猥雑で浮世離れした雰囲気を味わう。デリシャスウィートス、めちゃめちゃ可愛かったな。人魚のおまめちゃんがガラス瓶を食べるのを「大丈夫ー?」と見守っていたり、夜のお店に勤めるお姉さんたちのリアクションが最高に良かった。

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11月20日、駅で前を歩く女性がお化粧品を落としたので拾って渡したら、ホームで声をかけてくれた。小物の入ったビニールが詰まったポーチを片手に「色々手作りしているからひとつどうぞ」と手作りのストラップを差し出される。話しているそばからまた別のポーチを落としていて、この人はよくものを落とすんだろうなあと思った。拾っただけなので…と遠慮したら貰ってくれたほうが嬉しいと言うのでお言葉に甘えて水引に目玉のついた可愛いストラップを貰った。他にも見せてくれたキラキラした青いストーンのついたものや、おかめのお面のマスコットとつまみ細工のストラップはとてもユニークで可愛くて、バタバタと慌ただしい女性のキャラクターと相まって不思議な嬉しさがある。

ムーンライト(字幕版)

11月23日、早稲田松竹でバリー・ジェンキンス監督『ムーンライト』を観賞。いじめやヤク中の母親などヘヴィではあるけれども淡々と描かれていて、じんわりじんわりと沁みてくる。フアンの死が直接語られない余白とか。灼けつくような瞳とブルーに輝く肌。

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横浜へ移動。何度か来ているけれど横浜駅の全貌が分からなくて、今日もなんとなく東西を頼りに地下道を歩き回って目的地へ出る。東京近郊の都市の、機能が一部分に濃縮されている感じがとても好きだ。横浜まで来たら黄金町・伊勢佐木町エリアを歩くのがお気に入りなのだけれど先月訪れたばかりなので今日はメジャー感のある横浜駅を歩いて、ベイクォーターから赤レンガ倉庫までシーバスに乗った。最初は薄暗い客席、みなとみらい停船後はデッキに座る。

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とっぷりと日も暮れて、雨上がりで寒いかと思ったけれど程よい冷気でクルージング日和だった。高いビルや観覧車、客船の明かりで空がほんのり赤く見える。赤レンガ倉庫はクリスマスマーケットの準備をしていて、設営中でもイルミネーションをバックに写真を撮る人たちが沢山いた。

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モーションブルー横浜にてVIDEOTAPEMUSIC "ON THE AIR" Release OneMan Show。「On The Air」で混線した電波の中から拾い上げられたタクシー無線で「Sultry Night Slow」へ繋ぐオープニングから早速うっとりとしてしまう。いつも土地と対バンするつもりでライブしているとMCで話していたように、窓の外に広がる横浜の海やさっきシーバスから見た景色がすべてVIDEOTAPEMUSICの音楽によって融けてゆくようだ。前作『世界各国の夜』はいつか/どこかに存在したであろう誰かの時間を感じさせるロマンがあったけれど、今作は最早どこかもいつかもより曖昧になって(異界の気配すら漂う)あらゆる景色を浮かび上がらせる魅力がある。そしてあらゆる景色にも融けていくスライムのような感触。モーションブルーという特別な空間を含めて素晴らしいライブだった。クレイジーケンバンド「おにいちゃん」鶴岡龍とマグネティックス「KIMINOKO」とまさにィ横浜な歌モノを織り交ぜたcero髙城さんのDJも最高でした。あと開演前に食べたもち豚の舌のなんか美味しいやつ、とても美味しかったです。色合いがクリスマスっぽい。

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11月24日、本多劇場にてナイロン100℃『ちょっと、まってください』を観劇。ケラさんの公演でいつも楽しみにしているオープニング、舞台美術への投影と照明、音響が渾然一体となって今回もとにかく格好良い。映像や音楽を使った演出をここまで浮かずに効果的に使えるのはケラさんくらいではないかと思う。「不条理喜劇」と予告されていた本作、ズレた会話が次の瞬間に事実のように振る舞われ、あれよあれよという間に関係が入れ替わり、奇妙な面白さだった。「ちょっと、まってください」と何度心の中で呟いたことか。実質主演と呼ぶにふさわしいマギー、素晴らしかったな。

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11月26日、六本木スーパーデラックスにて東葛スポーツ『ハウス』を観劇。ナカゴー『ていで』の好演が印象的だった金山寿甲はどんなものを作っているのか興味があったのと、宮崎吐夢光浦靖子、森本華(ロロ)という客演に惹かれて初東葛スポーツ。ミクスチャー感覚極まれり、キレの良さとタチの悪さがものすごい。この話の筋はどうなの?とも思ってしまうのだけれど、よくできたリリックでつるんと飲み込めてしまうのがなお恐ろしい。悪意ってアドレナリン出るよね。そして何より、ロロの公演でも度々披露される森本華さんのラップ、永遠に聞いていたい。森本さんの発音の強さ、太さと内容の強さがこの上なくぴったり。 f:id:Vanity73:20171130222808j:image

11月30日、三鷹市芸術文化センター星のホールにて城山羊の会『相談者たち』を観劇。徐々に客電が落ちるとジッポと煙草の火が灯り、丸い照明が薄ぼんやりと浮かび上がる冒頭から引き込まれる。山内ケンジの書く言葉尻を引っ張り合うようなイヤ〜な会話、イヤ〜なのに笑ってしまうのは登場人物がみな少しずつ狂っているからだろうか。相対的にこの場面ではまともだけど、もう一方ではおかしな人間になる薄皮一枚の狂気が面白い。気まずい状況もだるくなるすんでのところで展開していくので飽きずに見れる。あとバカみたいな感想だが言わずにはいられない、山内作品での吹越満はもれなくエロい。とにかくエロい。

 

赤坂プリンスホテル

赤坂プリンスホテル

  • 東郷 清丸
  • J-Pop
  • ¥200

東郷清丸『2兆円』の中でも「赤坂プリンスホテル」がお気に入りで毎日のように聴いている。少し掠れた声と歌詞がとても好きだ。それと関係ないけれど、すっかり街路樹も紅葉して毎日赤と黄色の葉を踏みしめているというのになぜかBONNIE PINKの「A Perfect Sky」を聴いている。私の中のふと思い出して聴きたくなる曲第1位です。砂浜でカモシカのターン 暑い夏はカーステでダンス。

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