ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

傷の付け方

f:id:Vanity73:20191223134304j:image12月20日千葉市美術館へ目『非常にはっきりとわからない』を見に行く。いつも通る道に更地ができていると、いつも目にしていたはずなのに前にどんな建物が建っていたか思い出せないことがよくあるのだけど、その感覚を美術館で味わうことになるとは。うっすらと入れていた情報によると時間を空けて再訪した方が良さそうだったので、いちど喫茶店へ。

f:id:Vanity73:20191223134316j:image珈琲専科ヨーロピアン。コーヒーと、パイにあんことバニラアイス、栗がのったマロンブッシュを食べる。カウンターの端でまかないを食べるママや、常連さんの世間話が聞こえてくる家庭的な雰囲気が良かった。千葉駅にはじめて降りたのだけど、巨大な駅と大きな商店街、少し奥まったところの歓楽街、市街から離れた美術館、と地方都市のすべてが詰まっていて楽しかった。ひとやすみしてから美術館へ戻ると、ちょうど決定的な瞬間を見ることができて満足した。それでも色々なものを見逃しているのだろうけど。

f:id:Vanity73:20191223134329j:image北千住に移動し、コーヒーワークショップ シャンテへ。コーヒーと、シナモンシフォンケーキを食べる。こじんまりとした店内の壁や机、木の表紙のメニュー、カウンターのコーヒー豆の缶、お店のすべてがぴかぴかに綺麗に大切にされていてとても気持ちのいい空間だった。入店してしばらくお客が自分だけで、あの空間と時間をひとりじめできたのも嬉しかった。シアター1010稽古場にて東葛スポーツ『71年生まれ、光浦靖子』を観劇。前作と同じ構造なのもあってすこし物足りないなと思ったのだけど、それは常連の森本華さんがいなかったからかも知れない。「靖子は頭が悪くないから…」というリリックがすべてだな。

f:id:Vanity73:20191223201609j:image12月22日、好きな人と会う。今年度いっぱいで仕事を辞めて好きな人ともこのまま決別するつもりでいたけれど、改めて話をして、わたしは仕事を続けて少しずつ関係をやり直そう、ということになった。本当はもっと整理して言葉にしたいけれど、うまく折り合いをつけられないことばかりなのでそれは時間をかけて消化していこうと思う。結局どちらからも別れようとはっきり言うことができず、それを信じていくことにした。半年間、あれだけひとりで泣いてきたのだから、もう何もおそれることはない。かつてといまの好きって気持ちが、細く薄い光だけどわたしのいく先を照らしている。距離を置こう、と言われてから今までも、これからのことも、『空気階段の踊り場』での水川かたまりの号泣プロポーズと闇サヤ、そして大踊り場でのプロポーズを聞いて励まされたのがとても大きい。みっともなくても痛くても情けなくても、好きっていっていいんだなって思える。帰ってM-1を途中から見て、初めて見たぺこぱの漫才に感動した。やさしくてキレがあって面白い。わたしもこんな風に自分の考えを省みて、ゆるして肯定しながら生きていきたい。お笑いのある世界に生まれてよかった、と思った。翌日、録画しておいた『検索ちゃんネタ祭り』を見た。全組面白くて幸せだ。特に宮下草薙は草薙の発想も最高だし、草薙の緊張と生来の間合いを見守る宮下の関係性がすごくいい。ふたりの関係性が羨ましいな、と見る度に思う。

f:id:Vanity73:20191223204405j:image何があっても、わたしはあなたを肯定し続ける。ゆるし続ける。愛し続ける。そしてわたしは、あなたが必要というわたしのエゴを引き受け続ける。自分のことも、最期にはゆるしてあげられたらいいなと思う。本当はいちどすべて捨ててやり直したいよね、自分のことだけ考えて好きなようにしたいよね、でもごめんね。まだ恋と愛を諦められないからしばらくわたしはわたしを傷付けるかも知れないけど、こんど美味しいもの食べにいくからゆるしてね。