ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

夢のいでたち

f:id:Vanity73:20200216124718j:image2月7日、新橋からゆりかもめに乗ってお台場へ。滅多に乗らないので行きも帰りもばっちり先頭に乗って楽しんだ。芝浦ふ頭お台場海浜公園の間の遠心力と景色の素晴らしさ、もはやアトラクション。ダイバーシティ東京をふらふらと見てまわる。大きなショッピングモールに無性にテンションが上がり、サンリオかくれんぼフィギュアのガチャガチャを見つけて2回も回してしまった。

f:id:Vanity73:20200216132236j:image可愛すぎる。サンリオショップでセールになっていたタキシードサムのコーチジャケットを買いそうになったけれどそれは我慢した。ガンダムを眺めながらほうじ茶のソフトクリームを食べて、ライブハウスへ。

Fdf

ZeppDivercityにてcero『Contemporary Tokyo Cruise Tour』。新曲「Fdf」のムードを感じさせるシンセのアレンジが全体に渡って施されていて、大きなライブの度に新鮮な試みを見せてくれるceroに改めて惚れ惚れとする。ホーンセクションの加わった「Fdf」、めちゃくちゃ格好良かったな。毎曲クライマックスかというくらいに決まっていて、その中で「roof」「ロープウェー」のような静かな余韻のある曲も聴かせるメリハリの付けかたも最高だった。あとMCがいつもヘラヘラしててそれも好き。

フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり1)

フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり1)

 

チョン・セラン『フィフティ・ピープル』を読んだ。韓国郊外の町の大学病院を中心に、およそ50人の人々を描いた短い物語が重なり、すれ違い、渦のようになっていくのが圧巻で、とにかく面白かった。それぞれの人物や物語をこれ見よがしに繋げていくのではなく、それぞれの家族、友人、同僚、そして他人、といった関係性が自然に浮かび上がる。そして私たちは社会の中でゆるやかに連帯しているということを、こんなにも軽やかに描けるなんて。別の章に登場したキャラクターが再び出てきたときに、まるで自分の知り合いかのように記憶を探って思い出すような感覚があって、たった数行で人物の肉付けをして印象付ける巧みさにも驚いた。社会的かつ個人的な困難、苦悩、葛藤、幸福が、脳裏に焼き付いてひとつも他人事のように思えない。

片手袋研究入門 小さな落としものから読み解く都市と人

片手袋研究入門 小さな落としものから読み解く都市と人

 

ここ半年ほど、通勤電車で本を読む習慣がついて、途切れることなく読書を続けられている。ルポルタージュを中心にノンフィクション系も読むようになったのだけど、とりわけ面白かったのが石井公二『片手袋研究入門』。Twitterでその存在を知っていたものの、こうして1冊の本にまとめられるとその密度と世界を見る視点の豊かさに驚かされた。道端に落ちた片方の手袋から、その手袋が落ちた瞬間、それが誰かの手によって別の場所に移動された瞬間、という誰にも知られない光景が呼び起こされるのに詩情すら感じる。ついには、片手袋が落ちている光景だけでなく「かつてそこに片手袋が落ちていた風景」という境地にまで達していて、くらくらした。昨年末に見た目『非常にはっきりとわからない』とも通ずるものがある。

f:id:Vanity73:20200215170652j:image2月15日、ずっと行きたかった三軒茶屋のNicolasへ。お目当てのピスタチオのペンネがこの日はなかったのだけれど、ぶりのスモークとても美味しかった。浅めのスモークの香りとハム、美しく盛り付けられた大根と柑橘の爽やかさのバランスがよくて永遠に食べられる。金柑と甘夏、マスカルポーネチーズのタルトもざくざくした食感のタルト生地が好みで大満足だった。あまり意識していなかったけれど柑橘づくしだ。好みがわかる本棚と大きなピアノ、色や形は様々だけど統一感のある調度品、薄暗いけれどそこまで気取っていない店内の雰囲気がよくて、また来たい。

f:id:Vanity73:20200215185414j:image太子堂中央街から静かな住宅街を抜けて、こまばアゴラ劇場まで歩く。ロロ『四角い2つのさみしい窓』を観劇。ロロはいつ見ても圧倒的にロロで、それがいつも嬉しい。変わらないということではなくて、三浦さんの作劇や役者さんたちのお芝居に、ロロであること、ポップであることを引き受けているような感じが増していて心強い。軽やかな会話劇と、浮遊するような詩的な台詞、ポップミュージックを溶かしあえるのなんてロロだけだ。今回は死の匂いや不穏さも色濃いシーンが多々あってそれもよかった。それぞれの演じ分けも見事で、5人が揃うと「あれ?これしか出てないんだっけ」と不思議な感覚になるほど、キャラクターに親密さと広がりがあった。彼方と此方、境界線を行き来して、何度も出会い直す。さみしさや、過去を想うことを否定せず、離別と再会、ノスタルジーをポジティブなものに変えていく姿勢に勇気付けられた。うまく言えないけど、ロロはわたしの味方だ、と見るたびに思います。

f:id:Vanity73:20200215223930j:image2月にしては気温の高い日が続き、綿のワンピースにニットのカーディガンだけで出かけられるほどだった。コートとマフラーにもそろそろ飽きてきたし、冷たい風がないだけで自転車や散歩がとても楽で嬉しくなる。冬の身が引き締まるような冷たさも好きだけれど、やはり暖かいとこわばった節々がほどけて身体が軽い。2月にしては、と思うけれど実はもう毎年この時期には春が近付いているような気もするし、まだ寒くなくてはいけないような気もする。環境問題に意識を高く持てているわけではないけれど、気候は順当であって欲しい。暖かくて過ごしやすい冬が過ぎるとあまりにも暑い夏が、負債のようにやってきそうでこわい。

f:id:Vanity73:20200216111015j:image2月16日、昨日とは打って変わって雨。家を出るときは小雨だったので自転車でジムまで来たものの、外を見ると雨がどんどん強くなっている。撥水のジャンパーを着てはいるけれどこの中を走るのはなかなか辛そう。もう30分走る元気はないので、片手間にバイクを漕ぎながらこれを書いている。弱くなるならもう少し時間を潰そうか、それとも意を決して雨の中を帰ろうか。