ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

平成29年2月の半分

『カルテット』第3話、すごかった。前回までは見終えるとすごいな~面白いな~みぞみぞするな~!とはしゃいでいたのだけれど、今回はいつまでも噛み締めるようにそば屋でのカツ丼のシーンを思い出していた。「病院いかなくていいよ。みんなのところ帰ろう」からの一連の台詞を、1話で「夫婦って、別れられる家族、なんだと思います」と言った巻さんが言うのだから。スッと目の色が変わってすずめの手を取る巻さんが忘れられない。松たか子満島ひかりの凄まじさをまざまざと感じさせられる屈指のシーンでした。このドラマは、家族というある種の呪縛から解き放たれて関係を築いていく4人の物語でもあるのだな。「家族」ってその中にガチガチに囚われる場合と、そこに"属していない"ということに囚われる場合とがあってなんて厄介なんだろうと思う。だから、私たちは他の誰かと関係していたい、そうせずにはいられないのかも知れないなんてことも考えた。ぴかぴかのイルミネーションを飾って帰りを待ってくれるカルテットがいるんだもの。大丈夫。巻さんも家森さんも別府さんも、すずめちゃんに出ていけなんて言わないという確かな感触が3話にしてもうはっきりとあって頼もしいな。ときに、ウルトラソウルのランジェリーはどこで買えるのだろうか。すずめちゃん、なんで黒猫チェルシーのTシャツ着てるんだろうと思ったら、『かもめ』で渡辺大知と共演していたからかしら。告知番組のインタビューで、色んな人の寄せ集めにしたいということから満島ひかり自身が知り合いからいらない服をもらって衣装を構成していると話していたのでそのひとつかも。赤い大きなセーターは満島さんのお母さんが若い頃にお父さんに編んだものだそうで。他にもオーバーサイズの革ジャンとかフロントにポケットがついたツナギとかめちゃかわですよね。 

 

1日水曜日

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東京駅丸の内南口にあるKITTEの4階とインターメディアテクが好きで、近くまでくると訪れるのですが、今回はじめて屋上庭園に出てみた。電車もビルのエレベーターも看板のネオンもちかちか動き続けているのが見えてとてもいい場所ですね。

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西銀座デパートの喫茶ブリッヂでご飯を食べていたら、アルピーDCGのエンディングBGMが流れてきてひとりほくそ笑む。ブリッヂ名物のメロンパンケーキにずっと恋い焦がれているんですけれども、なかなか食べるタイミングが掴めない。次こそは。

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東京国際フォーラムホームAにて港カヲル人間生活46周年コンサート〜演奏・グループ魂〜へ。カヲルさんの愛くるしさがありあまる最高のコンサートでした。大型ヴィジョンのカメラワークも素晴らしかったです。カヲルさんの独唱を呆気にとられたような顔で眺める石鹸、寝ている破壊、爆笑する暴動。ライブが控えているというのに幕間に体力を消耗しそうなダブルダッチを披露するグループ魂のみなさんが格好良くて格好良くて、私の精神面の豊かさはこの人たちに支えられていると変なところでジーンときてしまった。

 

 2日木曜日

夫のちんぽが入らない

夫のちんぽが入らない

 

こだま『夫のちんぽが入らない』を読む。タイトルが全てなのかと思ったらそれ以外にも大変な問題に直面する夫婦のお話で、はらはらしたりずーんとしたり。簡単にわかったような顔はできないけれど、病院に行かず、入らないまま生きるという選択、わかるなあと思った。ままならないことは、ままならないままで良いじゃない。

 

3日金曜日

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銀だこの宅配バイクのヘルメットがたこ焼きなのめちゃくちゃ可愛くて見かけるとテンションが上がります。でもなかなか走ってないんですよね。

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東武伊勢崎線上り北千住駅のホームからいつも看板が見えて気になっていた喫茶室サンローゼでお茶。明るすぎず暗すぎず、静かすぎずうるさ過ぎずといったいい塩梅の雰囲気がさいこうの喫茶店でした。北千住は都内には出る際に必ず通過するもののあまり降りないのでいままで勿体無いことをしていたな〜と思っていたら、3月28日で閉店するという貼り紙を見て凹む。ガーン…マジか…気になるお店には行っておかないとな。 f:id:Vanity73:20170204000205j:image

今回は華麗な柱がそびえる中央の円卓席に座ったのですが、窓際からは駅のホームが見えるので閉店前にもう一度訪れようと思います。メロン型の器に入ったフルーツヨーグルトも食べたい。

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ここが足立区であることを感じさせてくれるトイレの貼り紙。ゴッサム

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ルネこだいらにてクレイジーケンバンド香港的士2017へ。昨年の夏にcero主催のTrafficで見てからまたライブに行きたいな、と思っていたので都合がついたこの日に。市民ホールで見るCKBも乙なものでした。はあ〜格好良い。香港のネオンと看板のセットにもめちゃくちゃテンションが上がった。あと剣さん、愛子さん、スモーキー・テツニの動きがすごく良い。楽しい。

 

 4日土曜日

滝を見にいく 【DVD】

滝を見にいく 【DVD】

 

沖田修一『滝を見にいく』を観た。面白い。私はユーミン推しです。葉っぱや茎をクロスさせて「いっせーのーせっ」で引っ張るあの遊び、懐かしすぎて涙が出そうになりました。小、中学生のころ体育の授業中や休み時間にずっとやってたな。

 

 6日月曜日

人のセックスを笑うな
 

井口奈己人のセックスを笑うな』を観た。数年前に観たときはこれは一体どういう話なんだろうといまいちピンと来ていなくて大学構内やファミレスの景色ばかりが印象に残っていたのですが、改めて観るとこんなにも親密な時間の流れる愛おしい映画だったのだなあと以前と全く違って見えた。とても好きだ。松山ケンイチ永作博美、可愛すぎて、好きになっちゃう!と何度思ったことか。たまにぽろっと松山ケンイチの訛りが出るのがこれまた。『ニシノユキヒコの恋と冒険』もそうなのですが、井口監督の撮る風景はシンメトリーやカーブなどの構図がとても意識的で、いつまでも見ていられる一枚絵のような魅力がありますね。あと、どの役者さんももれなく可愛い。『住住』『バイプレイヤーズ』など図らずも今期のトレンドのようになっている本人役のフィクションを井口監督が撮ったらすごく面白いのでは、とふと思った。

 

7日火曜日

『カルテット』第4話。高橋メアリージュン、『SICKS』であの野口かおるに負けずとも劣らない存在感を放っていたのが印象的な方でしたが今回も良かったですね。キッとした瞳にコテコテの関西弁、ベタなキャラクターのように思えるけどこういう女優さんてあまりいない気がする。プチ『最高の離婚』でした。

最後の扉が開くサスペンスな演出を見て、そういえば坂元裕二は『あなたの隣に誰かいる』の脚本を書いていることを思い出しました。これ、坂元さんのwikipedia読んでて一番びっくりした。北村一輝演じる‘虫の男’が死んでも死んでも生き返るサイコスリラーで、とにかく気持ち悪くて怖かった。正直細かい部分は覚えていなくて昨今の坂元さんの作家性とも結びつかないですが、青みがかった映像と主題歌のB'z「アラクレ」が強烈に残っている。会話劇が卓越しているのでそちらにばかり気を取られてしまうけれど、これを書いた人ということはいくらでもサスペンスに出来るんだよなーとふと思った。

配信が開始された「おとなの掟」を鬼リピートしています。

おとなの掟

おとなの掟

  • Doughnuts Hole
  • J-Pop
  • ¥250

ああ白黒付けるのは恐ろしい

・・切実に生きればこそ・・

 

そう人生は長い、世界は広い

自由を手にした僕らはグレー

幸福になって 不幸になって

慌ただしい胸の裡だけが騒ぐ

・・おとなは秘密を守る・・

巻さんが夫さんを殺したのか/殺していないのかの謎に近付くにつれて、「おとなの掟」は巻さんの歌だなあと思いながら聞いている。白とも黒ともいえないグレーな真相が待っているのかしら。そもそもこのドラマは一言で言い切ることのできない「グレー」な感情や言動を描いているのでドラマにも沿っているし、曲単独で聞いても素敵だし、どんどん大好きになります。

松田龍平高橋一生の歌う「空洞です」、超聞きて〜高橋一生の出演作で特に好きな『世にも奇妙な物語「クイズのおっさん」』(2016年)の中で、布施明の「君は薔薇より美しい」をカラオケで歌うシーンが少しあるんですけどそれがすごく良いんですよね。

 

10日金曜日

昨年、渋谷センター街にある一風堂で食べたトッピングのトマトが忘れられなくて食べにいったらメニューからなくなっていた…そんな…。トマト半玉にオリーブオイルと塩こしょうみたいな感じだったと思うのですが、とてもとても美味しくて。他に食べられるところないかしら…

シアターコクーンにてケラリーノ・サンドロヴィッチ作演出『陥没』を観劇。キャストが発表されたときから2017年の大本命だ!と早くも期待をパンパンに膨らませて臨んだのですが、その期待をゆうに飛び越える素晴らしさでした。ロマンティックコメディーかつファンタジー。それぞれの登場人物が魅力的な場面を繰り広げる群像劇のようなやわらかさは、毎週観たいなと思うくらい愛おしい。冒頭のセピア色の照明や会場の側面まで使ったプロジェクションマッピングのオープニング、洋館と背景でそよめく大きな桜の木の美術、高度成長期のモダンさをまとった衣装すべてが高水準で心地よく没入できました。誰もが口に出せないこと、隠しておきたいことを軽々と口にし、思いがけず伝えてしまう清晴(瀬戸康史)は天使さながらだった。幽霊も天使もミイラもみな幸せになる。

 

14日火曜日

バレンタイン。中学・高校(共学)のときは、女の子たちによる手作りチョコレートの大交換会が行われていた。どこからそんなモチベーションが、と圧倒されるほどのテンションで教室を行き交う女の子たちの手作りお菓子と嬌声。私はそこに参加するという発想がそもそも無かったので大人しくしていたのですが、たまにおこぼれを貰うこともあり。貰ったからには、と3月14日にお返しをするわけですが女の子同士にはホワイトデーという慣習はなくて交換したらそこで終わりなわけです。たいして親しくない子にお返しを渡しても一瞬なんのこと?という顔をされてしまうので、義理チョコに対応しなくちゃいけない男の子ってこんな気持ちなのかしら、と切なくなったことを思い出しました。お返しをしなかったらしなかったできまりが悪いし。でも貰うととても嬉しいし、チョコレートをくれる女性は間違いなく可愛らしいです。

バレンタインといえば、エレ片の名作Podcast「チョコ、好きなんだけどー↑」が欠かせませんね。何度聞いても良い。あと安住紳一郎の日曜天国の「チョコレートありがとーございます!」も好きです。

『カルテット』第5話。平原テツ、安藤輪子って絶妙なキャスティングだな〜有朱ちゃんこわいな〜いやだないやだなこわいな〜巻さんの表情凄すぎるな〜と思っていたら現れたフードにマスクの怪しい男。ちらっと見えた目元に「あれ?」と思い、ん?えっ?…これは…これは……く、く、く、く、宮藤官九郎だ〜〜〜〜〜!!!!!夫さん!?夫さんクドカン!マジか!まさか!上り坂下り坂まさか!!まさか〜〜!!!そうきたか〜〜〜〜!!!とテンション爆上がりのまま終わり、結果的に興奮がなかなか冷めない5話でした。前情報一切なしのサプライズ登場、流石のプロデュースですな。夫さんは登場しない方向でいくのかと思っていたけれど、宮藤さんなら靴下残してふらっといなくなりそうだし、唐揚げにレモンかけられても何も言わなそうだし、殺されてるって言われたら殺されてそうだし、予想だにしていなかったけれど納得のキャスティングです。もたいまさこと親子というのもこれまた。まあ、私が宮藤さん好きなのもあるんですけど。坂元裕二のドラマに宮藤官九郎が役者として出演する、という選択肢があったか!すげえな!やばいっすね。TBSといえば宮藤さんとのドラマでおなじみの磯山晶プロデューサーですが、『カルテット』の佐野亜裕美プロデューサーは後輩にあたるのでしょうかね。なんだか、脈々と受け継がれるものを感じる。とにもかくにも、もうすっかり大好きなカルテットの4人に私がこの世で一番好きな宮藤官九郎ときたら、平静を保って見ることはもう諦めました。みぞみぞが止まりません。