ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

平成29年1月覚書

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年始は浅草にお参りにいったり高尾山に登ったり、楽しく過ごしました。お楽しみの年始特番は『キングちゃん』(パペルvsぴぱな!)、『ゴッドタン マジ歌選手権』(劇団ひとりドローン!バカリズムのsuchmos!)、『富士ファミリー2017』、『ご本、出しときますね?SP』が期待を上回る面白さで、今年も貪欲にテレビ欄チェックに精を出そうと心に誓いました。面白いシーンがあればそこだけ切り取ったものがあっという間に拡散されていくようになりましたけど、やっぱり番組自体を見逃していると悔しいし、テレビも映画も本も演劇も音楽もなるべくちゃんと享受していきたい。

 

10日火曜日

FMyokohama松重豊「深夜の音楽食堂」ceroゲスト回が印象的だった。ceroが所属するカクバリズムの話になった際に二階堂和美キセルの名前が出て、松重さんてこういう音楽を聞くんだなーと。それから、松重さんがセレクトして読み上げた「roji」の朗読が素晴らしかった。現実世界とパラレルを行き来するceroの楽曲群の中でも「roji」は現世側だと思って今まで聞いていたのが、松重さんが発話することで静かにドラマがはじまりパラレルワールドの気配がスッと漂ってくるような感触がした。

 乱暴に取った受話器から聞こえた不気味な風の音

すぐ通話途絶えて背筋も冷えたし

開け放ってた窓もそろそろぼちぼちいい加減に閉めようか・・・

 

新しい日々のはじまり 感じ取っているはず

どこか別の世界での約束 どうしても思い出せない

 朗読の最後にドアを開けるベルの音で曲が始まる演出もきまっていたな。

 

13日金曜日

www.nhk.or.jp

『お母さん、娘をやめていいですか?』が面白い。母(斉藤由貴)が娘(波留)のデートを尾行するシーンがもうサスペンス。家を建てているけどお父さん(寺脇康文)はリストラ寸前だし、どうなっちゃうの~~という感じで楽しみだ。『ディストラクション・ベイビーズ』『ゆとりですがなにか』に続き、柳楽優弥がとても良い。

 

14日土曜日

天気予報の通り「最強の寒波」がやってきて、歩いていると鼻の奥がツンとする寒さの一日だった。埼玉は朝から晴天で雪は降らないだろうと思っていたら、お昼過ぎに空が真っ暗になってほんの一瞬だけ雪が降った。しんしん、でも、はらはら、でもなくバラララッと幻のように通り過ぎた今年の初雪。

池袋シアターKASSAIにてジエン社『夜組』を観劇。『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』内の「家族」というコーナーに着想を得て、実際にリスナーにも取材をして作られた作品ということで観に行きました。深夜ラジオのリスナー=夜に生きる人と捉え、ディストピアのような夜の世界での彼らと彼らの家族との交錯を描いているのはとても面白い。同時多発的な会話や不明瞭な設定についてゆけずにのりきれなかったのも正直なところ。でも帰り道や眠るまでの間、深夜ラジオでしか成立しない空気感や面白さ、沢山のリスナーからのメールが読まれているのにこのラジオを聞いているのは自分だけなのではないかと感じる不思議について延々と考えていたので、結果的に観てよかったなと思えた。ジエン社主宰の山本健介、出演者の寺内淳志、善積元によるアフタートークでは、取材をしたリスナーがみんな周囲にラジオを聞いていることを話していないという話題が出ていて、ラジオの中にのみ現れるキャラクターとコミュニティという点においてこの作品が少し分かったような気がする。それから、この日の昼公演にアルコ&ピースの酒井さんが来て、レッドブルを差し入れしていったそうです。

酒井さんといえば、最近では1月10日放送分アフタートークで話されていたエピソードがとても好きです。 お正月に川崎に帰省した際、地元の友達に絡まれないように実家までタクシーに乗ったら夜に「帰ってきてるだろ」と電話で呼び出された話。バカいかちい・・・。こんなにイメージ通りの川崎エピソードってあるかよ。川崎といえば、以前『関ジャニクロニクル』を観ていたら「ハロウィンの夜に一人で歩いている女性はどんな人なのか?」というテレ東チックな趣旨のもと、ハロウィンパレードで有名な川崎に丸山くんが取材に行く企画をやっていたのを思い出した。繁華街で輩に「関ジャニ!」と叫ばれ追いかけられるなかなか衝撃的な映像を土曜のお昼に見たのが強烈に残っています。

 

サザンウィンドウ・サザンドア (フィールコミックス)

サザンウィンドウ・サザンドア (フィールコミックス)

 

 石山さやか『サザンウィンドウ・サザンドア』を読んだ。「離れていても同じ空(花火)を見ている」と言葉にすれば陳腐に聞こえてしまうようなことをスマートかつキュートに描いた「今年の花火」からずっと心地の良い温度感、リズムでとても好きです。団地や風景の緻密な書き込みとラフな線の引き方のバランスも凄くて、ずっと眺めちゃうページが沢山あります。

 

17日火曜日

待ちに待った『カルテット』、会話と視線の応酬がもうたまらない。すずめ(満島ひかり)の巻(松たか子)へのミッションが一話で明かされましたけれども、今後のサスペンス的展開は自ずとそれぞれの人間ドラマとイコールになるのだなと思うと構成と脚本に期待が膨らみまくります。「あしたのジョーの帽子」とか「みかんつめつめゼリー」とか「高級箱ティッシュ紫式部」とか唐揚げにレモンをかけながら「おいしそー」「ですよねー」って会話するすずめと別府さん(松田龍平)とかとかとか、分かっちゃいたけど、いたるところまで4人の佇まいが最高の最高。ミゾミゾする。巻さんの「さかむけ、肘まではがされます」って台詞と発話がとても好きです。脚本やキャスティングの方向性だけでなく、椎名林檎のペンによる主題歌「おとなの掟」、maegamimamiのイラストといった訴求力は制作側の視聴者への目配せというよりも、良いものを作ろうという自信と信念が感じられてとても良いな、と思う。「こういうの好きなんでしょ?」じゃなくて、「これ素敵じゃないですか?」「とても良い!」という感じ。

 

18日水曜日


長澤まさみら新キャストで蘇る!ミュージカル『キャバレー』公開ゲネプロ | エンタステージ

EXシアターにて松尾スズキ演出『キャバレー』を観劇。長すぎる手足にクシャッとした笑顔にダンスに歌に・・・サリーが登場するたびに「まさみーーー!」と叫びたくなるほど長澤まさみが最高でした。石丸幹二のMCはこの作品を貫く「上品にときにお下品に」というキャバレーのテーゼを見事に体現していた。白塗りメイクでも地顔がわかる造形の濃ゆさ。まさか劇団四季にもこういう演目と役あるのかな、と思うくらいハマっていたな。ギラギラでお下品なキャバレーのシーンはどれも最高で、それだけでもショーとして成立する強度を誇っていた。1920年代のドイツ、ナチス政権という時代の影が迫り来る1幕のラストと2幕での淡々とした人間模様や情勢の変化のコントラストは、気付いたときにはこうなっていたというやるせなさのようなものが漂っていてゾワっとする。「反対を表明しないことは賛成したのと同じことだ」というクリフ(小池徹平)の台詞。ド派手なショーのフィナーレはこれまでの曲のプレイバックで、いかにも走馬灯のような静けさと寂寞を湛えていた。さようなら、と去っていくMC。みんなはどこへ行ったのだろう。どこかで破滅を予感しながら繰り広げられる乱痴気騒ぎと快楽はあまりにも虚しく、だからこそ甘く美しい。

 

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21_21DESIGN SIGHTの『デザインの解剖展』へ。人が多〜い。子供の頃、世の中に出回っているあらゆる商品は全て完璧なものに見えていて、大人は何でも完璧にしなくちゃならないから大変だなあなんて思っていたことがあったんですけど、パッケージのフォントひとつ取ってもこんなに考え抜かれているんだから、やっぱり大変だなと子供の頃の気持ちに引き戻された。大人になったら私も完璧にならなきゃいけないんだとなんとなく怖かったので、たまに大量に刷られるポップやメニューに誤字を見つけると、「よく見つからずにここまで来たね」とちょっと嬉しくなる。揚げ足取りとかそうゆうのじゃなく。これは2年くらい前に見つけたドリノクバー。

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話は戻りまして、スーパーカップ超バニラの「超」の文字だけクローズアップされるとピンと来ないもんだなー

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高校教師 DVD BOX

高校教師 DVD BOX

 

オンデマンドで『高校教師』(1993年)を見始めたら止まらなくなって一気に視聴。羽村真田広之)と繭(桜井幸子)の距離が近付いていく前半はもうムズキュンどころの話ではない。心臓破裂しそう。 桜井幸子の大人びたルックスと雰囲気、いたずらな可愛らしさ、儚さ、危うさ、透明感…どの角度から見ても完璧すぎる。真田広之も、世界で一番ハンサムなんじゃないのと思うくらい。横顔がもうすごい。完璧なフォルム。直子(持田真樹)と新庄(赤井英和)もすごく良いんだよな。あと一話に駅員役の松尾スズキが出ている。惚れた腫れたとか付き合うとか別れるとかももちろん面白いですけれども、誰かのことを好きになって惹かれあっていくときにしか流れない時間のきらめきみたいなものが見たくて私は恋愛の物語を求めているのかもしれないとすら思います。他の誰にも知り得ない、ふたりだけの愛としか呼びようがないもの。すべては「人が恋に落ちる瞬間」と「普通の恋」ですよ。後半のサイコ色強めの展開もめちゃくちゃ面白い。結末はこの上なく完璧なハッピーエンドだと思った。視聴者プレゼントの映像も入っていたのですが、森田童子「ぼくたちの失敗」の短冊CDがドミノ倒しになって最後に羽村と繭の写真が出てくる映像がシュールで良かった。なんだありゃ。

 

22日日曜日

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LINE LIVE『港カヲルのお悩み相談室』でsnowにはしゃぐカヲルさん、暴動さん、ゴスペラーズ安岡さんが可愛すぎる問題。「なにこれ~!」「うわ~!」「やだ〜!やだ〜!」って。画質の良いスクリーンショットが取れなかったので小さくしたらプリクラみたいでなお可愛い。LINE LIVEはアーカイブが残るので便利ですね。

 

24日火曜日


「住住」PR 主題歌ver

バカリズム・オードリー若林・二階堂ふみの『住住』、シンプルに駄弁っていてとても面白かったな。ハプニングを起こすのではなくて、キャラクターのおかしさで転がしているのも良い。何より、脚本ありの本人役というフィクションとノンフィクションの境が曖昧なシチュエーションを絶妙〜なラインで演じる二階堂ふみが上手い。上手すぎる。素のように振る舞いすぎるとグダグダになりそうなところを、きゅきゅっと締めている。すげ〜エンディングにEnjoy Music Club、イラストにボブa.k.a.えんちゃんという明確な方向性も安心しますね。

 

27日金曜日

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国立新美術館開館10周年記念イベントのエマニュエル・ムホー「数字の森」。

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渋谷の名曲喫茶ライオンにはじめて入った。薄暗い店内に巨大なスピーカー、大量のレコード、赤いヴェルヴェットに白いカバーのかかった椅子…また来よう。ミステリアス100点満点の店員さんに小声で「ごゆっくりどうぞ…」と言われると本当に異世界に迷い込んだみたいだった。円山町と百軒店に挟まれた立地も最高なんですよね。 

明るい夜に出かけて

明るい夜に出かけて

 

佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』を読み終える。先日見たジエン社『夜組』と同様に、『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』とそのリスナーを題材にした作品でこちらは更にがっつりとラジオの内容が反映されている。どちらにも共通しているのは登場人物が皆人生の途中で立ち止まっている寄る辺なき人々であるということで、やはり深夜ラジオにはそういう磁場があるんだなあと思う。『明るい夜に〜』では、物語の山場にアルピーANNの1部から2部への降格がクロスオーバーして、なかなかの臨場感。

天才ハガキ職人の不思議系女子高生・佐古田のヴィジュアルを清野菜名でイメージすると私的にしっくりきて大変楽しく読めました。可愛いですよねえ、清野菜名ちゃん。RIP SLYMEPOPCORN NANCY」のMV超好きっす。

ライオンを出て渋谷LOFT9のエレキコミックトークライブ『僕らの飲み会』へ。通例では後半にゲストなのが、今回は早々に到着しているというので先に登場。ゲストはダチョウ倶楽部・寺門ジモン。いやあ、面白かった。ネイチャーと食べ物の話、感化されそうになるくらい興味深かった。突然「渋谷には悪人と迷い子しかいない」と言い出したのも、最後は「(ここまで食にこだわると)モテない」で終わったのも最高でした。

 


江本祐介「ライトブルー」MV

あまりにもまばゆすぎる。太陽の光を直視したあとみたいに目がちかちかする。私はこんな風に文化祭を謳歌したタイプの人間ではないのですが、このMVの中の彼女たちや文化祭は素直に良いな、と思える。MVのための文化祭なのでいわばフィクションでもあり、いわき総合高校の高校生にとってはこれも間違いなく青春の1ページとして記憶されているのだろうなと思うと愛しさと切なさと心強さで胸がきゅっとしちゃう。彼女たちの時間もきっとこんな風にワンカットで、あっという間に流れていくけど、一生ものだね。ロロの島田桃子さんによる振り付けもとても良くて、サビと連動した弾けるようにしなやかな躍動を見ているだけで泣いちゃいそう。

 

28日土曜日

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四谷区にある東長寺にて行われたザ・プーチンズのライブ「ぷ寺」へ。会場に足を踏み入れて、本当にお寺だ・・・と疑っていたわけではないけど改めて驚く。本堂へ入るときに水のはられたお庭のようなところを通るのですが、そのお水が本当に綺麗でここでのライブも見てみたいなあと思っていたら、アンコールできっちりと活用されていてやっぱりザ・プーチンズ最高だなと思いました。写真は新曲「なまはげランド」の撮影タイムでの写真です。

 

いま『高校教師』と高橋一生に夢中なので、「高橋一生の『高校教師』」という言葉がふと浮かんだんですけど、そんなの見たらもう死んじゃいますよね。真面目でふわっとしたところがあってちょっと冴えなくて可愛くて子供っぽいところもあって真剣で…と羽村先生のキャラクター造形を考えれば考えるほどぴったりで頭を抱えています。以上です。