ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

完璧な退屈

f:id:Vanity73:20210523185312j:image雨の続いた1週間、毎日車で通勤をした。車で通勤なんて、大人みたいだ。道路は渋滞がないので安心な一方、ずっと狭くてくねくねした道を通るので少し怖い。後続車がいなければ落ち着いてゆっくり走れるのだが、裏道なので結構飛ばしている車が多いと気持ちが焦ってよくない。しかし、自転車と比べると身体の疲れはないし格段に楽だ。なにより、ラジオを聞きながら通勤できるのが良い。空腹で自転車をこぐ帰路は、気を紛らわせるものもなく体力を消耗するので思考がどんどん暗くなってしまうのだ。ずいぶん運転にも慣れてきたなと思っていたところ、木曜日に自宅の駐車場でバンパーをこすった。狭いのでいつかやるだろうと思ってはいたけれど、やはり気が緩んでいたのだろう。当然だけど、対人、対物事故は絶対に起こしたくない。

f:id:Vanity73:20210523184515j:image雨のあがった土曜日。前日に寄ったスーパーで、安くてテンションが上がり買い込んだ野菜を調理する。ブロッコリーをゆでてタコとバジルと和える(セブンイレブンのお惣菜のまね)、春菊はにんじんと白和え、トマトとナムルにする。引っ越してきたばかりのころに思わず買ってしまった500gの切り干し大根を煮物にしてようやく使い切った。少し傷んでいるりんごを細かく切ってはちみつとシナモンで煮込んだら大量のおやつが出来上がってうれしい。お昼はトーストにゆで卵のタルタルと野菜をのせて食べる。脂質を控えるために買わずにいたマヨネーズを導入してしまったのだけれど、やっぱりおいしい。
f:id:Vanity73:20210523184510j:image天気予報では晴れと言っていたものの曇り空で風は少しひんやりしている。車でどこかへ出掛けようかと思ったけれど海沿いは混みそうだし、車をこすったばかりであまり運転しないほうがいいかも知れないと思って、散歩をすることにした。いつもは自転車で20分ほどで行く図書館に歩いて向かう。途中、マクドナルドでミルキーのソフトクリームを買って歩きながら食べた。これを食べるために散歩に出かけたのだ。遠回りしながら約3時間、1万5千歩歩いたので、摂取カロリーと消費カロリーは同じくらいになっただろうか。
f:id:Vanity73:20210523184506j:image帰宅後、ピーマンの肉詰めを作って夕食。大きくて形のいいピーマンが安く売っていて、ナスやズッキーニも出始めたので夏を感じる。ちょうど図書館で返却されたばかりのコーナーにあった『きょうの料理』で丸ごと詰めるタイプの肉詰めが紹介されていたので借りて帰った。肉だねは鶏むねのひき肉と、Twitterで見たはんぺんを加えるレシピで作ってみたらとても美味しかった。いま使っているフライパンがすぐに焦げ付いてしまうので、丸ごと詰めると肉がはがれなくて良い。サイズも少し小さいし、新しいフライパンを買おうかなとぼんやり考えたりする。それから流し台のゴミ受けがプラスチックで掃除が面倒なので、母が良いよと教えてくれたステンレスタイプに換えようと思いつつ、まだ買っていない。

f:id:Vanity73:20210523184603j:image日曜日は気持ちのいい晴れ。掃き掃除をして雨露に濡れた車を拭く。こすってすぐは派手にやってしまったという印象だったけれど、改めて明るいところで見るとそこまで大した傷ではなかった。でも、この範囲だと補修に5万円はかかってしまいそうだ。天気のいい日は家にいるのが勿体ないと思っていたけれど、晴れの日のほうが部屋にいても気が滅入らないし、雨や薄曇りの日こそ車で外に出ると気分転換になることに気が付いた。1週間前からこの日は消費期限の迫っている水餃子の皮を使うべく、えびとたけのこの餃子を包む予定を立てていたのだけれど、それも午前中のうちに終わってもうやることがなくなってしまった。本当はかなり汚れている窓のサッシも放置しているし、人通りがほとんどないのをいいことにカーテンもひいていないけれど、それは今日ではないのである。映画に集中できる気分でもない。

精選女性随筆集 第五巻 武田百合子

精選女性随筆集 第五巻 武田百合子

 

 武田百合子の『富士日記』を読む。とてもいい。人の日記が大好きなのにどうしてもっと早く読んでこなかったんだろう。昭和四十一年十月三十日の日記に、

今日のように陽がよくあたっていると、陽のあたっているところを往ったり来たりしているだけで、とてもうまいことをやっているような気分になる。

とあって完全にシンクロしていた。

お昼前に豆乳を買いに近所のスーパーまで歩く。帰って蒸籠で蒸しパンを作ってみた。以前バーミヤンで食べたのが美味しかったので、水出しをしたばかりのほうじ茶のティーバッグの茶葉を入れてみたけれどあまり香りはしなかった。今後も改善の余地がありそうだけれど、小麦粉の糖質に気を付けなければ。
f:id:Vanity73:20210523184500j:image本を読むのにも飽きて夕飯作りに取り掛かったら17時前には食べ終えてしまった。午前に包んでおいた水餃子、トマトときくらげの卵炒め、ラムとピーマンのしょうゆ炒め、サラダチキンのゆで汁で煮込んだ玉ねぎスープ、昨日作ったお惣菜。休みの日は暇な時間に比例して夕食の品数が多くなる。1週間ずっと車通勤で、身体がなまっているのを感じて少しサイクリングに出かける。1日、陽は出ていたけれど風はまだひんやりしている。西日に照らされる高速道路を眺めていい気持ち。平日は仕事にいって、週末はご飯を作って掃除をして、あり余る時間を持て余して、なんと完璧な退屈だろう。もうすべてを手に入れてしまったような気持ちにさえなる。