ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

VANISHING VANITY

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つい数日前まで夜の7時でも明るかったのに、6時過ぎに電車が地下を抜けて地上に出るともうとっぷりと日が暮れていて季節の巡りの早さに呆然としてしまう。朝晩は肌寒くて長袖を着て出かけたものの、気温に合わせて弱まった冷房や日中の日差しには汗ばんでしまう。何度も経験しているはずなのに、季節の継ぎ目を乗りこなすのはなんと難しいことだろう。

自分の記憶を録画して、何度でも鮮明に再生できるようになればいいのに、とばかみたいなことを考える。楽しかった記憶を反芻していると徐々に輪郭がぼやけて、あれは夢か妄想だったのではないだろうか、と自分を疑ってしまう。反芻しているうちに少し脚色してしまっているのは間違いない。あのときこう会話を展開していればとか、あの流れでこの質問をしていればとか、無数のifで頭がいっぱいだ。ありえたかもしれない過去を想像で補ううちに、現実の記憶が遠のいてゆく。おぼろげになっていく会話の記憶と裏腹に、歩きながら眺めたコンビニの灯りや涼しくなりはじめた夜風ばかりが鮮明に思い出される。きっとこれは本当に本物。

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9月7日、坂元裕二朗読劇のチケットも取りそびれ久しぶりに何の予定も無い休日で昼の12時まで惰眠を貪ってしまった。プレイヤーの不調で借りてきたDVDが再生できず、少しだけ衣替えをはじめたらブラウスとニットが嵩張って途方に暮れて1日が終わり、夜の10時には瞼が重たくなって布団に入る。夜中の2時や4時にぼんやりと目を覚ましては眠りを繰り返すと夜が白みはじめた。次の日が来ている。窓の外が青白くなっていくのを眺めながら、ぐっすりと眠ったはずなのに眠れずに夜を明かしたような気分でまた目を閉じる。眠っても眠っても足りない。身体の調子が悪い、というより少しだけ変だ。喉が痛い。

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目を醒した瞬間から好きな人のことを考えていて自分でも呆れてしまう。好きで好きでたまらない気持ちをただ相手にぶつけることは暴力に等しい。世の中のみなさんは、どうやって恋愛をしているんだろう。まるでわからない。こんな状態でSPANK HAPPYの「I LOVE YOUの逆襲」なんて聞いちゃって、頭おかしくなる。ぐるぐると考え続けるのも限界に近く、友だちに聞いてもらおうかと思っていたタイミングで来月にご飯の誘いが来てとても嬉しくなった。もう少しで『ひよっこ』が終わってしまうのが寂しいけれど、10月には『監獄のお姫さま』が始まるしVIDEOTAPEMUSICのアルバムが出るし友だちに会えるし、やっぱり未来はいつも100パー楽しい。

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結構本気で、好きな人をご飯に誘いたかったのだけれど、やっぱり出来なくてちょっと凹んでしまった。滅多にない絶好のチャンスを逃してしまったこともなかなか大きい。誘うまではいかなくても、好意をほのめかすくらいのことをしたいほどに、私は具体的にその人のことが好きなのだと気付いてしまった。だって私のこと可愛いって言ってたみたいなんだもん。トランポリンのような情緒なのでいちど大きく沈むと跳ね上がり、跳ね上がっては反動でより深く沈み、というのを繰り返している。自分の欲求に振り回されている感じにも参って泣きそうな気分で歩いていたら、帰り道に理想的な色のリップを見つけた。秋に向けて暗い色を探していて、普段はお化粧品ひとつ買うのにもかなり熟考するものの(といっても1000円台のものですが)、これだと思ってレジに向かった。チョコレートブラウンのリップ、似合うかどうかはわからない。


CHAI / ぴーちくぱーちくきゅーちく 〜勘違いオンナっていっぱいおるよね〜 オフィシャルミュージックビデオ