ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

週末

f:id:Vanity73:20180919072357j:image3年ほど続けていた日記を全く書かなくなってしまった。書こうと思っても書くことがなくて、ペンを持つ手が止まる。もともとは覚えておきたいことを書くために始めたので、ここ数ヶ月のことは忘れてしまいたいということなのだろう。とはいえ、観たものや読んだものを記録しないと本当に無為な時間ばかりを過ごしているような気がしてやるせない。それほど演劇も映画も観ていないし本も読んでいない。気力もないしお金を使わないようにあまり遊んでいなかったけれど、今週末は少し活発に出歩いたらとても楽しかった。やっぱりそこそこに働いて遊んで暮らしたいな。

f:id:Vanity73:20180916165804j:image14日、世田谷文学館にて「ビーマイベイビー 信藤三雄レトロスペクティブ」を見る。大量のジャケットワークスを眺めながら、あれもこれもこの人だったのか、と驚く。やっぱりピチカートファイブのアートワークがすごく格好良くて可愛くてお洒落。格好良くて可愛くてお洒落以上に大事なことなんてないよな、と最近忘れつつあったいままでの自分の価値観を取り戻した。ポップな人生を送りたいものです。どうせいつか死ぬのだから。クレイジーケンバンド「タイガー&ドラゴン」のMVも最高だったな。少し歩いて、千歳烏山の喫茶 宝石箱へ。お店にあった高野文子るきさん』を読みながらチョコレートケーキとクリームソーダ千歳烏山の駅前は賑やかでなんだか楽しかった。普段、京王線には縁がないので来ることもなさそうだけれど、そういう街の風景ほど記憶に残るものだ。たまに見る夢にしか出てこない街は、そういう1度しか行くことのなかった街の記憶がコラージュされているような気がする。乗り換えで改札を出たので少し神保町へ立ち寄る。私が神保町に行くときはいつも閉まっている文化屋雑貨店に今日は入れた。

A子さんの恋人 5巻 (ハルタコミックス)

A子さんの恋人 5巻 (ハルタコミックス)

 

15日、友人とご飯を食べた。ずっと新宿駅のどこにあるのかわからなかったSuicaペンギン像にやっと謁見できた。神々しい。電車で近藤聡乃『A子さんの恋人』5巻を読む。面白すぎていちど読み終えて何度も読み返した。いよいよ佳境に入っていて、A太郎もA君もぐっと人間くさい一面が見えてきて楽しい。プロポーズが宙に浮いたままのA君にはたまったものではないと思うけれど、読者としては願わくばこの状況と物語に白黒つけないままずっと続いて欲しいと思ってしまう。「白黒付けるのは恐ろしい 切実に生きればこそ」とあの4人が歌ったように、気持ちや関係というのはどうにもままならないものだ。それでも私たちの生きる現実には、仕事であったり結婚であったり、選択を迫られる場面がやって来る。そこに人との関係や感情が絡んでいるものだから、余計にややこしい。こういうややこしさを、スマートな線画と筆致で読ませてくれるの、本当にすごいな。この巻の主役は何と言ってもゆうこちゃんの彼氏ヒロくん。ひねくれているえいこたちに共感しつつ、心のどこかで憧れてしまう明るさと屈託のなさが凝縮されている。極め付けはこの台詞。

A太郎さんもアメリカの彼も

えいこさんが完璧な人だから

好きなんじゃないと思うな。

お互いの悪いところをわかった上で

「ふたりで許し合って生きていきませんか?」って

言ってるんじゃない?

なんかもう読みながらずっとうるうるしてしまう。惑いも迷いも全てひっくるめて、お互いに引き受けながら生きていけたらどんなにいいだろう。

f:id:Vanity73:20180917203235j:image16日、浅草九劇にて東葛スポーツ『カニ工船』を観劇。キレキレで格好良かった。批評性と娯楽がどちらに寄りすぎるでもなくお互いに作用している感じとか、本当に巧いなあと思う。出演者も全員華があってラップもうまくて安心して見ていられる。ロロの板橋駿谷と森本華の安定感。玉田企画の玉田真也がどこまでも玉田さんなのもよかった。ナカゴーの川﨑麻里子は本当にチャーミングで見るたびに好きになってしまう。連休ということもあってか混雑している浅草を少しうろうろして、東京蛍堂を覗いてアンヂェラスでひと休みして帰る。そういえば、行きは東武線が動いていなかったので初めてつくばエクスプレスに乗った。その名前と速さからなんだかもっとシュッとした車体を勝手に想像していたのだけど、普通の在来線の車両でした。

f:id:Vanity73:20180917202959j:image東京ラブストーリー』1話の再放送を観た。ずっちーなあ!最高!!赤名リカ、めちゃめちゃ最高すぎてやばいっす。いま私に必要なのはトレンディドラマだったんだ!坂元裕二が書いていると意識して見ると短い台詞のテンポ感やさりげない言い回しがぽいかな、とも。あの電話をかける仕草で話しかけるやつ私もやりたいんですけど。それから、TVerで『マンハッタンラブストーリー』が配信されていてもう何度も観ているというのに夢中で観てしまう。クドカンドラマの一番のミューズは塚本高史と言っても差し支えないのではないか。宮藤さんのドラマを観ていると、あっちへこっちへふらふらと惑ってしまうことも悪くないように思えるな。