ニュースクラップタウン

私事で恐縮です。

おまじない

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いつも朝の4時頃にいちどうっすらと目が覚めて、うつらうつらとしながら6時まえに布団を出る。雨戸を開けて、顔を洗って、NHKラジオのニュースを流しながらお弁当をつめてからお化粧をする。ラジオだと動きがわからないので、テレビをつけてEテレのテレビ体操をして朝ごはんを食べる。テレビ体操の人はみんなキレがよくて、動きについていくのが案外難しい。晴れなら7時半に自転車で、雨の日は電車に乗るのでいつもより10分早く家をでる。自転車で職場まで約50分。道に慣れると遠さを感じなくなった。新しい職場での仕事がはじまって2週間、研修から少しずつ実務に入っている。ぎゅうぎゅうにスケジュールが詰まっていることもなく、然るべきタイミングで声をかけてくれるので安心して座っていられる。いままでずっと非正規で、自分のデスクがあるというのがはじめてなのでそのことがしみじみと嬉しい。まだやらかしが発生するほどの仕事をしていないので心中も落ち着いていて、あまりにも穏やかなので何か重要なことを失念しているような気がしてたまにそわそわする。研修と実務の間にタイムラグがあるので、身につくまでに時間がかかりそうだ。常に不安な人間は、自分が不安を感じていないことに対して不安になる。

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毎日、定時ぴったりにあがる。周囲もほとんどの人が定時にはPCの電源を落としているので、多少の繁忙期はあるにせよ、これから任される領域が増えてもそこまでキツくはならなそうで安心している。18時には家に着く。この時期は日が伸びて、明るいうちに家に帰りつくのがとてもうれしい。作り置きのおかずや野菜を蒸籠で蒸して、簡単に汁物を作って食べるのが平日の夕飯として定着してきた。台所ではTBSラジオ「アフター6ジャンクション」を流している。ご飯を食べ終えて、シャワーを浴びてもまだ20時前。本当は毎日湯船につかりたいけれど、じぶんひとりだと水が勿体ないような気がして3日に1回くらいのペースでお湯をためてお風呂に入る。暑くなってくると毎日シャワーでいいかもしれないけれど、まだ朝晩は冷えるので身体を温めるためにお湯につかりたくなる。なんだかここ数日は風が冷たくて、セーターや厚めの上着は実家に置きっぱなしなので、そこらの服をかき集めた不自然な重ね着をしている。近所の図書館で本を借りたら、返却日のレシートにスーパー銭湯の割引券が付いていて、そのうち行ってみたいのだけど、自転車だとまだ湯冷めしてしまいそうなのでまだ行けていない。洗濯もひとりだと毎日回すのは効率が悪いように感じられて、2日に1回のペースで回す。なんだかやたらとタオル類の洗濯物が出る。バスタオル、台所用のふきん、携帯している手ぬぐい。

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平日の朝と夜は早くタスクをこなさなければとなんだか妙に気が急いて、かえって時間があまってしまう。21時にはもうすることがなくなって、本をぱらぱらめくったりテレビをみたりもするけれどたいていは早く寝てしまう。火曜日は『大豆田とわ子と三人の元夫』があるので22時に眠る。早く寝て早く起きると、昼頃に眠たくなってしまうのでもう少し時間をずらしたほうがいいような気もするのだけど、朝も気持ちに余裕があってのんびりできるので、今のサイクルが定着しつつある。仕事のあとも、本当は喫茶店へ行ったり映画を見たりする時間はあるのだけれど、金曜日でもない限りまっすぐ家に帰る。夕方は風がつめたくて自転車でうろうろする気にならないというのもあるのだけれど。

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休日も大抵6時には目が覚めるので起きだして、ゴミを出したり用事があればコンビニまで歩いてから朝ごはんを食べる。実家にいたころのように朝いちでジョギングに出る習慣を取り戻したいと思いつつ、このあたりは坂が多くて良いランニングコースを見つけられていないことを言い訳にさぼっている。午前中はお昼のおかずとお弁当用の作り置きを兼ねた料理をする。他にすることがないので一日中台所に立っている日もある。以前のように演劇やライブ、美術館にわざわざ出かけることがなくなったいま、いちばん手近な娯楽かつ、生活に必要なこととして食事と料理の比率が異様に高くなっている。生活必需という意識があるのでお金を使う抵抗も少ないし、いま自分にとっての一番の娯楽なのだ。別に凝った料理を作るわけではないのだけれど。外食はほとんどしない。スーパーへ行くたびに買いすぎてしまうので、本当に自炊のほうが安いのだろうか?と疑問に思うこともある。

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休日の外出は買い物か図書館くらいで、自転車で行ける範囲のところをうろうろしている。道や周辺の位置関係も少しずつわかってきて、地図を見ずに行ける場所も増えてきた。もっと気候が良くなったら、遠くへ足をのばしてみたい。坂の多い町なので電動自転車を買ったのだけど、どこへでも行けそうな気がする。家では、テレビでAmazonPrimeを見れるようにしたので映画を見ることもあるけれど、ソファもなければ椅子も仮の長く座っていられるものではないので視聴環境がいまいちであまり集中できない。ご飯を食べるときに『孤独のグルメ』を流すのには大いに役立っている。本当はテレビの配線を綺麗にしたり、窓のサッシを掃除したり、整えなければいけないところもたくさんあるのだけれど、普段の生活は滞りなくこなせる状態なのでひとまず保留にしている。

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仕事も、毎日の生活もいまのところ淡々としていて、明日は何を食べよう、休みの日は何をしよう、何を着ようと考える余裕もある。昨年までのような、将来に対する漠然とした不安はいまはひとまずなくなった。切望していた、明日のことだけを考えて眠る毎日の中にいることがうれしい反面、これはいつまで続くんだろう、という不安と、これがずっと続くのかな、という疑念がときおりふっと湧き上がる。ひとりの暮らしは正直とても気楽だけど、君が足りない。